神話を通じて日韓の文化芸術交流を図る「第7回済州・日本神話交流美術展―神話の記憶を辿(たど)る―」(大阪韓国文化院、大阪日日新聞など後援)が8日、堺市東区の市立東文化会館ギャラリーで開幕した。12日まで、入場無料。

主催の日本・済州神話交流会を代表して、洋画家の小灘一紀会長が「神話は民族や国の成り立ちを知ること。日本と韓国・済州島は、多神教的な考え方など類似点が多い。心の文化の古里である神話を学ぶことで、互いの伝統や宗教、習慣などが深く理解できる」とあいさつ。

済州島側から済州文化フォーラムの梁榮吉(ヤンヨンギル)理事長が、「どちらも海に囲まれた島である済州と日本は、共通点が多い。神話文化を共有し、互いの美術を通じて独自性を発揮していきたい」と応えた。

同美術展は、日本と済州島で2年ごとに交互に開催しており、日本での開催は4年ぶり。過去に大阪狭山市や鳥取県米子市でも開催している。

展示は、日本側が小灘画伯の130号大作で、昨年の日展に出品された「草薙剣(くさなぎのつるぎ)を授かる須佐之男命(すさのおのみこと)」など20点、済州側が22点。両国の子どもたちが、神話を題材に描いた作品約70点を集めた「児童画交流展」も同時開催している。

夜には堺市内のホテルで、来日中の済州作家歓迎会が開かれ、市内の文化事業関係者らと交流した。

9日午後2時から、同文化会館ホールで「神話フォーラム」があり、日韓交流古代史をテーマに大阪府立狭山池博物館の西川寿勝学芸員が基調講演。済州の美術作品について作家の洪辰淑(ホンジンスク)さんが解説し、ピアノと歌で「島神楽(かぐら)II」などのミニコンサートもある。

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神話交流展で済州作家・洪さん(右端)の作品説明を聞く小灘画伯(左手前)ら=8日、堺市東区の市立東文化会館

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