この原稿を書いているのは、韓国・ソウル。

私は今、「NO LIMITソウル自治区」に参加するため、韓国に来ているのだ。

NO LIMITってなに? という人は、昨年開催されたNO LIMIT東京自治区についてのコラム(第388回/第389回)を読んでほしい。まぁ一言でいうと、東アジアの人たちの大交流会。アジアの政府は近隣諸国同士それぞれ対立を煽ってたりするけど、そんな馬鹿馬鹿しいことに巻き込まれず、とにかく民間人同士で仲良くなってしまおうという企みだ。そうして昨年は一週間にわたって東京・高円寺を中心にデモやイベントやライブ、毎晩の路上大宴会が繰り広げられ、韓国や台湾や香港や中国やタイやマレーシアから200人ほどが来日、飲み過ぎて十数人が帰りの飛行機に遅れた。

その第二弾が現在行なわれているNO LIMITソウル自治区。9月15日から24日までの10日間に渡って開催され、各国から活動家やただのマヌケな人々やアーティスト、ミュージシャン、自分の地元でカフェなどの店や居場所作りをしている人、セックスワーカーの問題に取り組む人などなどが大挙してソウルに押し寄せているのである。そうして私も15日に単身、韓国入りしたという次第だ。

そんな韓国でまず感激したのは、ロリータ・パンチとの出会いだ。

ロリータ・パンチとは、韓国のフェミニズムアクティビストグループ。ロリータの服を着て、デモなどの活動をするグループだという。その存在は、パククネ大統領退陣デモが盛り上がっていた時から耳にしていた。韓国のデモにロリータ服のグループがいて、彼女たちはロリータ・パンチと名乗っていること。話してみると、日本のアクティビスト・雨宮処凛に影響を受けているそうだ、と韓国人の友人に聞いたのだ。それからほどなくしてロリータ・パンチのキムさんという女性から連絡があり、彼女たちのサイトに原稿を書いたのがつい最近。そうして今回の韓国行きで必ず会おうと約束していたのだ。

15日、ソウルのホテルのロビーに現れたキムさんは、韓国のオリジナルロリータブランドLIEFのドレスに身を包んでいた。そうしてその日から現在に至るまで、日々行動を共にしている。驚かされるのは、彼女の口から、日本で10年ほど前に問題となった「ロリータブランドBABYの不当解雇問題」などが当たり前に語られること。「あの不当解雇はロリータの夢を壊すものです」と語る彼女は、韓国のロリータさんの間でBABYの服を着ないという行動が広がっていることを教えてくれた。日本も韓国も、若者たちの労働問題が厳しい事に変わりはないから、日本のロリータブランドでの労働問題は見過ごせないという。

ソース:マガジン9 2017年9月20日
http://maga9.jp/karin170920/
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ロリータ・パンチの皆さんと。右から2番目がキムさん
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韓国のロリータブランド「LIEF」にて、韓国のロリータちゃんたちと
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デモ出発前、横断幕の前で
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アジア永久平和デモ!! カオス!
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「家父長制破壊!」「女の身体は自分のもの!」とコールするキムさん
http://maga9.jp/wp-content/uploads/2017/09/IMG_0416.jpg
デモで謎の踊りをするYAMAGATA
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台湾のまるこさんと☆

続きます