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バスから降ろされソウルの日本大使館前に勢揃いした慰安婦像(名村隆寛撮影)


 韓国の歴代大統領で人気が最も高いのは朴正煕(パク・チョンヒ)(1917〜79年)だ。60、70年代に18年間の長期政権下で韓国の経済発展と近代化を実現した指導者だからだ。韓国はこの時代に国力で宿敵・北朝鮮を上回り貧乏国でなくなった。

今年はその生誕100年ということで、当初は各種の記念行事が計画されていたが、娘の朴槿恵(クネ)大統領が弾劾・罷免されるという政治的事態で多くが中止になった。生誕記念の14日、ソウルにある「朴正煕大統領記念図書館」で予定されていた保守系団体による銅像建立も、これに反対する左翼系団体とのもみ合いでお流れになった。

 朴正煕の功績に対する評価は今も分かれている。経済発展優先で、政治的安定を理由に野党など反政府勢力を弾圧したからだ。現在の文在寅(ムン・ジェイン)政権はそのときの野党・反政府勢力の後を継ぐもので、娘追放は父・朴正煕への“報復”でもあった。

 朴正煕否定の背景にはもう一つ、彼が統治時代に日本陸軍士官学校を卒業した旧満州国軍将校だったという“親日派”経歴がある。彼らは「親日派が国を豊かにして北に勝った」という現実を認めたくないのだ。朴正煕の銅像は建たず元慰安婦の銅像ばかり建てられるのが韓国社会の歴史認識の実態だ。これじゃ日韓の歴史認識の一致などあり得ません。(黒田勝弘)
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