■韓国側は「火器管制レーダー使用せず。カメラを使用」

韓国海軍の駆逐艦「クァンゲト・デワン」が12月20日、海上自衛隊のP-1哨戒機に、艦対空ミサイルの誘導にも使う、「“火器管制レーダーSTIR180”を照射した」と防衛省が発表した件について、韓国の国防省副報道官は24日、定例の記者会見で、当該のP-1哨戒機の飛行状況について以下の主張をした。

@通常的に見れば、ある国の軍艦上空で、哨戒機が低空上を通過するのは異例的な飛行である。

A韓国の駆逐艦は日本の哨戒機の特異な行動に対して、遭難船舶を探索するために運用していた追跡レーダーに装着されている光学カメラを回して、日本哨戒機を監視することになり、その過程で、一切の電波放射はなかった。

また、同日、韓国合同参謀本部作戦2次長の会見では、「クァンゲト・デワン」が、海自のP-1哨戒機からの通信呼びかけに応じなかった点について、以下のように発表した。

B一部通信内容が認知されていた。しかしながら、通信強度があまりに微弱でノイズがひどかった。韓国が認知したのは「コリア コースト」という言葉だけであった。

■韓国駆逐艦はP-1哨戒機に呼びかけたのか

この韓国側の主張が正しいとすれば、P-1哨戒機をカメラで監視した(A)ということなので、プロの軍人が見れば、海上自衛隊のP-1哨戒機だと、すぐに判明しただろう。

「異例的な飛行」があった(@)と認識したのなら、駆逐艦「クァンゲト・デワン」は、海上自衛隊P-1哨戒機に、無線で呼びかけたのだろうか。韓国の記者会見の内容に駆逐艦「クァンゲト・デワン」から、無線で、P-1哨戒機に呼びかけた、という内容がないのはなぜだろうか。

次に、駆逐艦「クァンゲト・デワン」側の認識では、海上自衛隊P-1哨戒機は、同艦の“低空上を通過”となっている。つまり、韓国側の認識では、P-1哨戒機は、「クァンゲト・デワン」の上を低く飛び、周辺も飛んでいたということになるのだろう。

軍艦は、一般に通信アンテナは、艦の上についている。しかも、P-1が、低空で韓国艦の上も飛んだというなら、間を遮るものはなかった、ということだろう。それであるのに、「通信強度があまりに微弱」(B)だった、というのである。

■防衛省「低空飛行の事実はない」

防衛省は25日、以下のように説明している。

防衛省:
海自P-1は、国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。

加えて、海自P-1は国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz 及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、『韓国海軍艦艇、艦番号971 (KOREA SOUTH NAVAL SHIP,HULL NUMBER 971)』と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。

■韓国側の主張「P-1は低空飛行」「通信微弱だった」の意味は?

艦の上の低空を恐らくは、間を遮るものがない状態で飛んだ飛行機からの通信電波が、たとえ微弱であったとしても、キチンと受信できなかったのだとしたら、有事に備えるのが最大の任務である軍艦が、その任に堪えられるのであろうか。

もちろん、駆逐艦「クァンゲト・デワン」の通信装置が、一時的に故障などで、「異例な状態」になったのなら、海上自衛隊P-1への呼びかけがしたくてもできなかった。さらに、P-1からの通信呼びかけが、「微弱」と表示されることもありうることかもしれない。

だが、そうだとすれば、韓国海軍の軍艦の整備能力、または定期整備は、どうなっているのだろうか。そして、これは駆逐艦「クァンゲト・デワン」だけの話なのだろうか。韓国海軍の他の軍艦は、どうなのだろうか。

また、駆逐艦「クァンゲト・デワン」の火器管制レーダーの照射がなかったと韓国側が主張した件について、防衛省は25日、以下のように反論した。

防衛省:
海自P-1の機材が収集したデータを基に当該駆逐艦から発せられた電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、海自P-1が、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております。

■韓国の艦対空ミサイル「海弓」は中露と日本を意識?

※以下ソース元参照

2018年12月26日 水曜 午後5:59
https://www.fnn.jp/posts/00405620HDK