中国メディア・東方網は8日、中国でよく用いられる食に関することわざ「民は食をもって天となす」をタイトルに用いたうえで、日本や台湾の人びとが「お出かけ」の際に安全で、しかも、おいしいご飯を食べることができることへの羨望を示す記事を掲載した。

 台湾の駅弁はご飯の上に大きな鶏もも肉や揚げた豚肉が乗っているボリューム満点の見た目をしている上に、その価格が300円程度と非常に安いことを紹介。中国大陸の人にしてみれば破格の値段だが、台湾の弁当は「安くておいしい」ことで広く名が知れている「コストパフォーマンスの王様」なのだとした。

 そして次に、日本の駅弁について言及。日本は弁当の生産大国であり、全国各地に4000種類あまりの駅弁が存在するしたほか、その人気は今や日本人だけにとどまらず、日本を訪れる外国人観光客も駅弁を味わうことを楽しみにやってくると説明した。

 また、日本の駅弁は地域性や季節性を十分に反映した内容になっており、行く先々でそれぞれ異なった特徴を持つ弁当を楽しむことができるとした。さらに、価格は1000円以上のものが多く、台湾の弁当に比べるとだいぶ高めではあるものの、日本人の収入を考えれば非常に高いわけではないと解説している。

 そのうえで記事は「日本や台湾の駅弁と中国高速鉄道の弁当を比べると心が痛むという中国のネットユーザーがいるという。いつになったら大陸でも台湾のように廉価で、日本のように鮮度の高い駅弁を食べられるようになるのか。列車のなかでカップ麺を作って食べる必要がなくなる日が1日も早くやってくることを望む」と結んだ。

 中国ではしばしば「民は食をもって天となす」という食に関する諺が使われる。これは、食べることを第一に重んじてきた中華民族の考え方を端的に示すものだが、今世紀に入って中国の食をめぐる環境は決して良好とは言えない状態が続いている。豊かな食文化を自らの手によって貶めるような、食の安全性や質に関する問題の解決が、やはり望まれる。(編集担当:今関忠馬)

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サーチナ 2019/06/10 11:12