フィットネスクラブにもインターネットカフェにも行けなくなった影響で電子書籍の需要がほぼ倍増

図書館の無人貸出機の利用も急増

 ソウル市瑞草区に住むサラリーマンのイ・ジュファンさん(34)の日常は、コロナウイルスの感染拡大によって大きく変わった。仕事後に通っていたフィットネスクラブは先月から休業中で、週末には必ず立ち寄っていたインターネットカフェにも行けなくなった。今では部屋でタブレットPCを使って電子書籍を読むのが唯一の趣味だ。昨年は本を1冊も読まなかったイさんだが、先月だけですでに5冊も読んだ。イさんは「本を読むときはマスクをしなくても違った世界に行くことができる」「友人たちとオンラインで読書の感想を語り合うグループを立ち上げた」と語る。

 コロナ事態により外での活動が制限されている影響で、読書ブームが起ころうとしている。とりわけ非対面方式で手に入る電子書籍は需要が2倍近く増加するなど、大きな人気となっている。江南区によると、先月区庁の電子図書館ホームページから貸し出された電子書籍は2万3387冊で、昨年の同じ期間の1万3335冊と比べて1万冊(75%)以上増えた。最も人気が高かったのは伝染病猖獗(しょうけつ)都市が背景の「ペスト」(アルベール・カミュ)で、1カ月で82人が借りていった。道谷情報文化図書館からオンラインで提供されるオーディオブックの貸出件数も先月は4542件を記録した。昨年3月の2138件の2倍以上だ。

 コロナによって休館になった自治区図書館では、無人貸出機の利用が急増しているため対策も始まっている。城北区に12カ所ある無人図書貸出機では今年2月から1日平均780冊以上が貸し出された。コロナ以前は360冊を少し上回る程度だった。

 城北区は貸し出し需要が機械に入る容量を超えたため、予約から1日で本を受け取らなければ貸し出しをキャンセルとすることにした。竜山区、江西区などは車に乗った状態で本を借りられるドライブスルー方式の貸し出しシステムを導入した。西大門区は1人当たり2冊までだった電子書籍貸出数を7冊に増やした。江南道谷情報文化図書館のチョ・グムジュ館長は「先月の電子図書館会員数は昨年の同じ時期と比べて3000人ほど増えた」「学校の新学期が延期されたことで、本を借りる生徒や学生も増えた」と述べた。

ク・ボンウ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020042480165

2020/04/26 05:37