5/28(木) 8:16配信
朝鮮日報日本語版

 昨年の韓国の名目GDP(国内総生産)は、経済協力開発機構(OECD)加盟国に中国、ロシアなど主な新興国を加えた比較対象38カ国で10位だった。2009年に13位、15年に10位、18年に8位と順位を上げてきたが、昨年は11年ぶりに2ランクの低下となった。

 GDP順位の低下は新型コロナウイルスの事態以前から韓国経済が低成長という持病を患っていた結果だ。物価を考慮した昨年の名目成長率は1.4%で、OECD加盟国で最下位圏に落ち込んだ。1.6%成長した日本にも57年ぶりに及ばなかった。成長率を人為的につり上げ、税金をつぎ込んだにもかかわらず、実質成長率は過去10年で最も低い2.0%にようやく届いただけだった。うち政府の寄与度は1.5ポイントだ。成長率全体の4分の3が税金投入部分だったことになり、税金主導成長に等しい。設備投資は8%減少し、企業収益は半減した。

 政府は今後も財政をさらに投入し、GDPを伸ばすと言っている。そうなれば望ましいことだ。しかし、昨年は財政支出を9%以上増やしたが、経済成長率は1%台に低下し、GDP順位は後退した。韓国経済は少子高齢化というこれまでにない試練に直面している。今年1−3月の出生数は前年同期を11%も下回り、合計特殊出生率は0.9にまで低下した。生産年齢人口(15−64歳)が10年間で250万人も減少する一方、65歳以上の人は10年後に1000万人を突破する。税金を納める人が急減し、税金を使う人は急増する。

 こうした状況で低成長の泥沼を脱するには反企業・反市場政策を捨て、労働面、規制面などで構造改革に取り組まなければならない。財政を出動するにしても苦い薬も一緒に飲まなければ病気は治らない。税金主導成長は持続可能ではない。その税金を誰が払うのか。税収の穴を赤字国債で埋め続ければ、GDP順位の下落程度では済まなくなる。

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