文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日に青瓦台(韓国大統領府)で行われた会議で、韓国でコロナワクチンの確保が遅れている問題を指摘し、スタッフらと内閣を叱責(しっせき)したことが分かった。

文大統領は「これまでワクチンを確保するよう何度も指示したが、今に至るまで進展がなく、結局今のような状況を招いてしまった」という趣旨の言葉でスタッフらを叱責したという。文大統領はこの日、丁世均(チョン・セギュン)首相と行う毎週の定例会議でも「政府によるワクチン確保に問題がある」との考えを示したようだ。韓国政府によるコロナワクチン確保が他国よりも遅れていることへの指摘が最近になって相次ぎ、これが国民の不満として高まりつつあることから、文大統領は首相と青瓦台のスタッフらを同時に叱責したのだ。文大統領は会議で病床確保問題にも言及したという。ただし青瓦台の関係者は「非公開の会議における大統領の発言については確認できない」とくぎを刺した。

 韓国でもこれまで医療スタッフや専門家らが「ワクチン確保」を何度も要求してきたが、「韓国政府は比較的消極的」との指摘を受けてきた。最近になって韓国がワクチンを確保できていないことが問題になると「わが国の感染者増加のペースは他国に比べて安定していた。またワクチンの導入は他国における副作用の事例などを確認する必要があった」などと弁解した。しかし丁首相は20日「政府がワクチンのタスクフォース(TF、特別任務遂行チーム)を稼働した今年7月の時点では、韓国国内の感染者数が100人ほどだったので、ワクチン依存度を高めようと考えなかった側面がある」として事実上政府の責任を認めるような発言を行った。

文大統領は今月に入って「ワクチン確保」を強調し始めた。今月13日のコロナ対策会議においては「ワクチンと治療薬が使用される前までが最後の山」と述べ、17日に行われた来年度の経済政策における方向性に関する報告の席では「ワクチン普及をスピード感を持って推進せよ」と指示した。同じ日に青瓦台で行われたNSC(国家安全保障会議)常任委員会においてもワクチン確保の問題が議論されたが、その後これといった進捗(しんちょく)が見られなかったため、この日は文大統領自ら強い口調で叱責したとの見方も出ている。


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