「彼ら(韓国人)はビンタを一発食らうべきだった…そうやって、医薬品とワクチンの購入に差し迫った時、彼らがイランのお金を足止めできないことを分からせなければならない」(「フィナンシャル・タイムズ」に引用されたイラン政府関係者)

抑留中の韓国タンカーの船員たちの解放交渉のためイランを訪問したチェ・ジョンゴン外交部第1次官が14日、目に見える成果なく帰国した。外交力のなさだと非難できない状況だ。この問題は韓国とイランの問題ではなく、米国が原因であるからだ。

ドナルド・トランプ米政権が2018年5月にイラン核協定(包括的共同行動計画・JPOA)を一方的に破棄し、イランに制裁を再び加えたことによって韓国に凍結された70億ドルのイラン資金が、この事件の核心だ。

韓国もこの資金をイランに返そうとしたが、トランプ政権の強硬な立場に押され、どうすることもできなかった。しかし、今イランはかなり怒っている。韓国が米国の顔色ばかりうかがっているという理由でだ。

米国の制裁で世界各国に凍結されているイランの資金は1000億〜1200億ドル程度と推算される。韓国に凍結されている70億ドルはなかでもかなり多い方だ。

バラク・オバマ米政権時代、韓国は中国やインドなどと共に制裁猶予を受け、イランから多量の石油とガスを輸入した。このような過程で韓国とイランの交易量が増えた。

トランプ政権が電撃的に制裁を再開したことで、韓国に多くのイラン資金が足止めされることになった。

その後、韓国がイランにあまり誠意を示さなかったと、イラン側は嘆いている。

その時点がトランプ大統領が電撃的に受諾した朝米首脳会談のプロセスと重なった影響が大きい。韓国は、朝米関係の正常化による北朝鮮核問題の解決に外交のすべてをかけていた。

北朝鮮とは対話する一方、イランの首は締めるというトランプ政権に対し、韓国は腰が低すぎた。

実際、イランはこれまで、各国に凍結された自国資金のことで、当該国と争ったことがない。唯一、韓国にだけ初期から不満を訴えており、これはたびたび韓国メディアにも報道された。

中国とインドは、初期から様々な方法でイランをなだめてきたという。イラン側のある関係者はフィナンシャル・タイムズに「中国もイランの生存のため現金を提供してきたのに、韓国は関係ないといわんばかりの態度だった。これがイランを激怒させた」と述べた。

イラン中央銀行のアブドゥル・ナセル・ヘンマティ総裁も「アルジャジーラ」に「私たちは他の国にも(凍結)資金があるが、米国の制裁にもかかわらずその資金にアクセスし、使うことができた」として、韓国が誠意を見せなかったと訴えた。

イラクにもイランの資金50億ドルが凍結されているが、イラクはイランが新型コロナワクチンを購入するのにこの資金を使えるよう、一部返すことで合意したとされる。

韓国も国際ワクチン調達機構のCOVAXファシリティを通じて、イランがワクチンの確保にこの資金を活用するよう、米国から制裁猶予措置を受けていると明らかにした。また、この資金のごく一部を使用し、すでに薬品と医療装備がイランに送られた。

2021-01-16 08:18
http://japan.hani.co.kr/arti/international/38861.html