何が間違いだったか分かってなさそう

 現地時間5月21日の米韓首脳会談後の共同記者会見で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、韓国からの記者団に向かって「我々、韓国の方には女性記者はいないのですか」と発言し、異様な空気が流れたという。本人はジョークのつもりだったのかもしれないが、国内からは「韓国を辱めた」などと批判の声が噴出している。

 文発言には前段がある。会談後の共同会見の席上、バイデン大統領が質問権を与えた米国の記者2名が共に女性だったため、文大統領もこれに合わせるべく「女性記者はいないのか」と機転を利かせたつもりで言ったようだ。

 が、バイデン大統領は別に女性だからという理由で質問をさせたわけではない。たまたま女性が2人続いただけだ。こうした公の場で無意味に性別について言及すること自体が、非常識とされるのが現在の常識となりつつある。

 そのため会場には一時異様な雰囲気が漂ったという。

 会見場にいた米国記者は「seemed odd(奇異に映った)」とツイートし、それは韓国メディアでも報じられた。このニュースを見た韓国人からは、以下のような批判のコメントが多く寄せられている。

「未だに何が間違いだったか分かってなさそう」
「街のおじさんの性差別認識と同レベルだ」
「他国で行う会見の場で男女について言及することに何の意味があったのか」
「韓国を辱める、嫌われ者の文大統領」

 もともとは「人権派」として鳴らした文大統領だけに、ギャップが大きいという面もあるだろう。

女性記者のダイレクトな質問に
 しかし、共に民主党の權仁淑(クォン・インスク)議員は報道したメディアに対し「社会的葛藤を助長することはやめるように」と言及しつつ、その発言を「小さいがとても重要なメッセージだった」と前向きに評価。中央日報も、米国CBSニュースのホワイトハウス担当記者の「文大統領は女性記者に質問させようと努力するような感じでジョークを飛ばしていた」というツイートを引用し、彼を擁護していた。

 そもそも文大統領が、本人や支援するメディアが言うほど男女差別などに意識が高いかといえば疑わしい。文大統領と女性記者ということで筆者が思い出したのは、2019年1月10日の年頭記者会見での一件だ。

 水原(スウォン)市の独立系FM、京畿(キョンギ)放送のキム・イェリョン女性記者が、自身の政策が上手くいっていると自賛する大統領に向かって「現在、経済は冷え込むどころか凍り付いている。国民がとても苦しんでいる……大統領のその自信はどこからくるのか、その根拠は何か」と生中継の間に質問したことがあった。

 大統領は硬直して「現在の政策基調を維持する必要があるという話はすでに十分にした。新しい答えはない」と答えたのだった。その後、キム・イェリョン記者は左翼メディアと与党から「無礼」という非難を受け、文大統領の支持者はその私生活を暴いて圧力を加えたのである。
ちなみに、悪いことは重なって、幹部による政権批判発言が伝えられるなどした結果、京畿放送は20年3月に突如閉局して23年の歴史の幕を閉じることになった。

 一応、彼が性差別解消に取り組んだ実績についても触れておくのがフェアだろう。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/be18d29e3e994d7990c1bc4e2dc0a3143a5efc44
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