【ロンドン時事】ロシア国債のデフォルト(債務不履行)の懸念が一段と強まっている。

16日に利払い期日を迎えたロシアのドル建て国債について、ロイター通信は、目安となるロンドン市場での営業時間終了までに支払いが確認されなかったと報じた。30日間の猶予期間に入るが、1998年の通貨危機以来のデフォルトの瀬戸際に立たされている。

 利払い期日を迎えたのは2本のドル建て国債の利息計約1億1700万ドル(約140億円)。欧米の制裁でドルなどの外貨準備が凍結される中、支払いができるかどうかが注目されていた。

 ロシアのシルアノフ財務相は16日の国営テレビ局のインタビューで「われわれは支払いを指示した。ボールは米国側にある」と強調。支払い能力に問題はなく、取り次ぎの米金融機関による支払いを認めるかどうかの責任は米金融当局にあると主張した。

 今後はロシアが30日間の猶予期間中にドル建てで利払いを行うかどうかが焦点となる。ただ、月内に別の外貨建て国債の利払いがあるほか、4月上旬には元本の償還も控えており、必要な外貨を調達できるかは不透明だ。

 シルアノフ氏はこれまでに、外貨の代わりに自国通貨ルーブルで支払う可能性も示唆している。しかし、格付け大手フィッチ・レーティングスは、一方的に支払い通貨を変更した場合は、猶予期間後にデフォルトと認定すると表明している。 


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