2022年11月3日、日韓議員連盟と韓日議員連盟がソウルで3年振りとなる合同総会を開いた。

日本・産経新聞の報道によると、採択された共同声明には首脳が頻繁に往来するシャトル外交の復活、文化交流の促進などが明記されたそうだ。

また、韓国側の要請で、日本の永住外国人に地方参政権を付与する制度の実現に向けた協力も盛り込まれたという。

日本に居住する外国人への地方参政権付与は日本で度々問題になってきた。最近でも、あることがきっかけで参政権議論が再熱している。

そのあることというのは、東京都・武蔵野市の市議会で2021年12月に否決された住民投票権を認める条例案を、松下玲子市長が再提出すると意向を表明したからだ。市内に3カ月以上住む18歳以上であれば、日本人、外国人を区別せずに住民投票ができるという内容である。

厳密に言うと韓国側が求めた参政権と、松下市長が推進する住民投票権は異なる。参政権とは、「国民あるいは住民が政治に参加する権利の総称のこと」で、住民投票とは、「地方公共団体の住民が特定の事項について、投票により直接に意思表示すること」だからだ。

だからと言って、松下市長が進める住民投票権を認めてしまえば、次は地方参政権を認めろとの要望が高まるだろう。地方参政権を認めれば次は国の参政権だ。そうなれば、日本人による日本人のための政治がされない危険性がある。

実際、外国人参政権を認めたオランダでは、イスラム教徒が多く移住した結果、イスラム社会を批判した人が殺害されるという事件が起きている。

韓日議員連盟が今回日本側に求めた、日本永住外国人に地方参政権を付与する制度も同じだ。これが可決されれば、将来的に日本が外国人に乗っ取られる可能性だってあり得るのだ。

この問題は深刻な問題である。韓日議員連盟からこのような要請があったことを日本のメディアはあまり大きく伝えなかったが、大々的に報道して国民に知らせるべきだった。

では、日韓・韓日議員連盟による合同総会を韓国メディアはどのように報じたのか。韓国メディアの方が日本の報道よりもかなり詳しく伝えられていた。

■日本だけでなく韓国も必要なヘイトスピーチ解消への努力

・韓日は徴用労働者訴訟など歴史問題、輸出規制などを巡り、両国間で葛藤が生じたことに対して憂慮を表明し、これを打開するために1998年の金大中(キム・デジュン)・小渕宣言の精神に戻り、両国関係を早急に正常化しなければならないということで意見を共にした。
・韓日両国の発展と東アジアの平和・安定のために両国首脳が真剣に会談に臨み、新たな韓日関係の追求を要請することで一致した。このため、韓日首脳のシャトル外交を復活させ、首脳間の緊密な対話の場を設けるよう努力することにした。

総括は日本の報道も韓国の報道も大した差はなかった。だが、韓国側の報道では、各委員会から出された要請内容について、分かりやすくまとめられている。

日本国内の永住外国人に地方参政権を付与するよう求めたのは「法的地位委員会」であった。内容は次の通りだ。

・日本国内の「ヘイトスピーチ解消法」がより実効性を持てるよう体制と環境を整備し、憎悪表現を根絶するために努力することにした。
・日本国内の永住外国人に地方参政権を付与するための協力を続け、1970~80年代の在日韓国人スパイ事件被害者の名誉回復と特別永住資格回復のための立法措置など努力を続ける。

日本国内にはヘイトスピーチというものが存在する。それは否定しない。だが、昨今は、本来ヘイトスピーチに該当しないものまでヘイトスピーチとして分類されるようになってきた。差別と区別は明らかに異なるが、その線引きが曖昧なままだ。

2022.11.9(水)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72613
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72613?page=2
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72613?page=3