日本の朝鮮学校を取り巻く問題を米紙「ワシントン・ポスト」が取材した。在日コリアンが通う朝鮮学校の多くが、いま閉鎖の危機にあるという。いったいなぜなのか。

「スパイの子供」と呼ばれて
教師は「韓服」と呼ばれる朝鮮半島の伝統服を着ていた。黒板の横には、北朝鮮の建国者・金日成の絵が飾られている。彼女が指導するのは日本生まれの生徒たちだが、パソコンの画面に表示されているのは、朝鮮語の語彙だった。
「これはどう発音しますか?」
教師は「家族」を意味する単語を指しながら、朝鮮語でそう尋ねた。
「シック(食口)」。生徒たちは大きな声で答えた。

大阪にあるこの小学校は、朝鮮半島が日本の植民地だった1910~1945年に移住してきた朝鮮人の4世・5世たちが、「在日朝鮮人」としてのアイデンティティについて学ぶ貴重な場となっている。在日朝鮮・韓国人(在日コリアン)は民族的マイノリティとして、長らく日本社会から疎外されてきた。
このコミュニティの多くの人々は、冷戦初期に労働力として日本に渡った朝鮮人を支援するために何十校もの朝鮮学校に資金提供した北朝鮮を受け入れている。とはいえ、彼らは自らを北にも南にも重ね合わせることなく、半島の統一を切望している。
北朝鮮と歴史的につながりのあるこれらの学校は、長らく誹謗中傷の標的にされており、生徒たちを「スパイの子供」呼ばわりする抗議行動も起きている。2022年は北朝鮮が前例のない回数の弾道ミサイル発射実験を行い、抗議も激しさを増した。
北朝鮮のミサイルが日本上空を通過した2022年10月には、複数の学校から脅迫電話があり、それまでには放火事件も起きていた。日本メディアの報道によると、東京の朝鮮学校生が電車内で、「日本にミサイルを飛ばすような国が高校無償化とか言ってんじゃねえ」と暴言を吐かれる事件もあったという。

岸田文雄首相はこうした脅迫行為を非難している。だが事態は改善せず、北朝鮮の国営メディアは日本を「凶暴で恥知らずで道徳的に低俗な国家」と呼び、「罪のない子供たちを不当な差別と迫害の対象にしようとしている」と報じる。
しかし、今も残る63校の朝鮮学校にとって、目下最大の課題は資金繰りだ。緊迫した日朝関係が一因となり、両国いずれからも支援が得られず、多くの学校が閉鎖の危機に追い込まれているのだ。

ー中略ー

アイデンティティを育んでくれた場所
朝鮮学校の歴史を研究する鳥取大学の呉永鎬(オ・ヨンホ)准教授は、東京のある学校の門に刻まれた言葉をよく思い出す。そこには「朝鮮学校は私たちの故郷」と書かれていた。
「これは卒業生と家族に共通する気持ちだと思います」と在日3世の呉は語る。朝鮮学校は「自分たちのアイデンティティを育んでくれた場所」なのだという。
埼玉県さいたま市にある埼玉朝鮮初中級学校の廊下には、朝鮮の地図や絵がかけられている。描かれているのはどれも統一された朝鮮で、まるで分断などなかったかのように感じられる。
今日の現実を見ると、北朝鮮は韓国との外交から、かつてないほど身を引いている。また、北朝鮮による日本人拉致問題を考えると、日朝関係が進展する見込みもほとんどない。

日本政府は2010年に高校無償化制度を導入した。だが、朝鮮学校を適用対象から外し、拉致問題が解決するまでは税金が投入されないようにした。
政府は北朝鮮に対し、すべての拉致を調査し、被害者を帰還させるよう要求してきた。北朝鮮側は2014年に応じる意向を示したが、それから何の進展もない。
同じ問題を理由に多くの自治体が資金提供を打ち切った。埼玉朝鮮初中級学校は2011年から補助金が下りなくなったが、授業料の徴収や寄付、資金集めや民族団体「在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)」からの支援によって、約170人の生徒のために踏みとどまってきた。

「在日コミュニティにとって状況は厳しくなっています。日本は特に安倍政権下で右傾化、保守化してきました」と語るのは、公益財団法人朝鮮奨学会の副理事として資金集めを指揮するキム・ポムジョンだ。

以下ソースから
Michelle Ye Hee Lee and Julia Mio Inuma 1/2(月) 10:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/deeaa0920f118518b39542effc8c374496f50f2f

※前スレ
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