日本の「マンガ」人気が世界で高まっていると、海外メディアで報じられることが増えている。そんななか、英誌「エコノミスト」は、マンガはウェブトゥーンにいずれ敗れると分析する記事を掲載した。その根拠は何なのだろうか。

急成長する韓国のウェブトゥーン
イ・ヒョンソクは、韓国で『ドラゴンボール』や『スラムダンク』などの日本のマンガに夢中になって育った。彼はその後、東京に移住し、漫画家・編集者として成功を収めた。
その後、韓国では「ウェブトゥーン」が登場した。これは、スマートフォン用に最適化されたイノベーティブなマンガのプラットフォームだ。当初、イはこれにそれほど良い印象を持たなかった。日本のマンガ作品が独創的なグラフィックスタイルや洗練されたストーリーを持つのに比べ、ウェブトゥーンの作品は粗雑で表面的だと感じたのだ。「『これなら誰でも作れる』と思いました」とイは語る。
しかし、日本のマンガは韓国のウェブトゥーンに押され気味だ。2021年、紙のマンガの市場は2.3%縮小し、2650億円となった。一方、世界のウェブトゥーン市場の規模は37億ドル(約4950億円)で、2030年には560億ドル(約7兆5000億円)に達すると予測されている。
マンガのデジタル化が遅れているのは、そのコンテンツが印刷用にデザインされており、スマートフォンで読むには不便だからだ。スマホで読もうとすると文字が小さすぎたり、コマのレイアウトのせいで常に拡大・縮小したりする必要がある。どちらが有望かを目にし、イは2014年にマンガ業界を離れてウェブトゥーン業界に参入した。

変化を拒む日本の出版業界とマンガ
日本でも、『梨泰院クラス』や『俺だけレベルアップな件』などのウェブトゥーン作品は人気を博した。しかし、多くの日本の出版社は、頑なにマンガにこだわってきた。
それに対してイは嘆く。「日本の出版業界はとても保守的です。前例にこだわるのがいいという考え方が強いのです」
実際、マンガをまずは週刊誌に連載し、その作品を単行本化するというビジネスモデルは、1960年代からほとんど変わっていない。
また、日本のマンガはコマを読む順番など独自のテンプレートを持つ。そのフォーマットは、読者に特別な知識を要求するのだ。電子マンガの制作会社を経営する岩本炯沢(けいた)は言う。「マンガの読み方を知っているのは、日本人と韓国人、そして世界中のオタクだけです」
一方、ウェブトゥーンはより簡単に、より直感的に読める。それが急成長の一因だ。

伝統にこだわる日本のマンガ業界は、韓国のイノベーティブな企業に世界のマンガ市場の覇権を譲り渡そうとしている。この状況が象徴するのは、閉鎖的で低迷する多くの日本企業に漂う閉塞感だ。
ウェブトゥーンに見られる革新性と賢いマーケティングの組み合わせは、近年韓国が世界に輸出する他のものにも共通する。ネットフリックスで大人気の『イカゲーム』やボーイズバンド「BTS」などは、世界を席巻している。
一方、日本政府が韓国の成功に倣おうとした「クールジャパン」戦略は失敗している。巨額の損失を出したこの事業は、間もなく中止されるだろう。

変わらないマンガ業界
しかし、マンガはその得意な点に執着することで、少なくともその強みを維持している。その複雑なレイアウトは高度なストーリーを表現できる。そして、多くのマンガは、ミリ単位で表現される芸術的な素晴らしさを持つ。たとえば、壮大な剣豪シリーズである『バガボンド』の複雑な墨絵や、中世のファンタジー作品である『ベルセルク』の超現実主義的なイラストがそうだ。
一方、ウェブトゥーンでは限られた文字数しか表示できない。そのため、ドラマチックで複雑なストーリーを展開するのは難しい。「ウェブトゥーンが、質においてマンガに勝ることはないでしょう」と岩本は述べる。

ー中略ー

しかしマンガの将来を危ぶむ声もある。日本のマンガ読者は、国全体の人口と同様に高齢化している。1959年に創刊された少年向けマンガ雑誌「週刊少年マガジン」の読者の平均年齢は、現在30歳以上だ。「マンガは老人の文化になりかねない」とイは警鐘を鳴らす。
「最近の子どもたちは、スマートフォンでウェブトゥーンをスクロールして見ています。なぜ彼らの好みに合ったものを作れないのでしょうか」

1/4(水) 19:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/93fd6aed7e192d8dabfc4b11023f1bae9a488803

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