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(高雄、台北中央社)台湾本島と離島・馬祖をつなぐ海底ケーブル2本が、今月初旬に相次いで断線していたことが分かった。通信事業を監督する国家通信伝播委員会(NCC)は17日、2本のケーブルはいずれも中国の船舶によって損傷したとの暫定的見解を明らかにした。

ケーブルを設置する中華テレコム(中華電信)によれば、淡水と馬祖・東引をつなぐ「台馬2号海底ケーブル」は2日夜に断線。8日正午過ぎには、桃園から馬祖・南竿まで敷かれた「台馬3号海底ケーブル」も断線した。台湾―馬祖間の海底ケーブルは2本しかなく、2本の切断によって馬祖では通信の不具合が生じている。

NCCの翁柏宗副主任委員兼報道官は17日、取材陣に対し、2号ケーブルは中国の漁船、3号ケーブルは中国の貨物船によってそれぞれ損傷した疑いがあるとの報告を中華テレコムから16日に受けたと説明。関連の資料は海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)に処理を要請中で、中華テレコムも同署に通報済みだという。

海底ケーブルが故意に破壊されたのではないかとの指摘に対して中華テレコムは、2本全てが切断される状況が異常であるかについてはコメントできないとしつつ、台湾―馬祖間の海底ケーブルの故障は直近5年で20回余りに上っていると説明。海底ケーブルの保守作業を担う各社に修理を要請しているものの、ケーブル船が到着するのは現時点では早くても4月20日になる見通しだとし、できるだけ早期に修理ができるよう働き掛けを行っているとした。

海底ケーブルの切断により、国家安全保障における通信ネットワークの強靭(きょうじん)性の課題も浮き彫りになっている。中華テレコムによれば、台湾と離島をつなぐ海底ケーブルの増設を計画しており、台湾と澎湖、金門間の「台澎金4号海底ケーブル」は2024年末に、「台馬4号海底ケーブル」は25年末にそれぞれ完成予定。

(蘇思云、江明晏/編集:名切千絵)

フォーカス台湾 2023/02/17 13:13:06
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