【広州=比奈田悠佑】中国の電気自動車（EV）大手、比亜迪（BYD）は26日、格安EV「海?（シーガル）」の販売価格を正式発表した。価格は7万3800元（約140万円）からで、同社の現行商品ラインアップで最も安いモデルと比べ3割弱安い。BYDは様々な価格帯で新車種を発表しており、市場全体でシェアを広げる戦略を鮮明にする。

BYDは18日に開幕した上海国際自動車ショーで海?の車体を披露していた。26日はオンラインで発表会を開き、同日販売を始めると宣言した。顧客への納入時期は明らかにしなかった。

グループで開発した最新鋭のリン酸鉄リチウムイオン電池「刀片電池」を搭載する。航続可能距離はモデルにより305キロメートルと405キロメートルがあるが、いずれも急速充電機能を標準装備する。バッテリー残量が30%から80%の必要充電時間は30分だという。

海?は「海洋シリーズ」で最も安いモデルになる。同シリーズの販売部門を担当する張卓・総経理は「顧客の選択肢をさらに広げる」と述べた。

今回の発表会では海外での販売計画については言及しなかった。これまでに海洋シリーズの「海豚（ドルフィン）」や「海豹（シール）」を日本などで販売する方針を示している。海?についても海外における乗用車市場開拓の戦略車種の一つとなる可能性がある。

日経新聞　2023年4月26日 19:42
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2687V0W3A420C2000000/

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