「ぺペロdayも終わったし、今日はみんなでクリスマスツリーを出そう」

 ぺペロdayというのは、11月11日の韓国版ポッキーの日である。韓国のその日は、ポッキーの模倣品の「ぺペロ」が飛び交う。5年ほど前からは、ポッキーも国内の製菓会社がライセンス生産しているので、我が家がお金を出して買う時は、いつもポッキーを買っている。

 しかし、今年は事情が変わってしまったのだ。ぺペロdayを目前に「サンリオぺペロ」が登場したのだ。箱にサンリオのキャラクターたちが描かれたぺペロは、娘のハートをわし掴みにして離さなかった。

 最近の韓国でサンリオキャラの流行り方は、はっきり言ってエグイ。数えきれないくらいのコラボ品が出現し、スーパーに行けば鉛筆から布団まで揃う。

 ノージャパンの時期には攻撃の矛先がキティちゃんにまで及んでいたのに、今の韓国での流行具合を見ると、なんというか、開いた口が塞がらない。この変わり身の早さはもう、民族性と呼ぶしかないだろう。

(略)

韓国では通じない「公私混同」

 第一に決定的なことは、この世に携帯電話が出現してから今日まで、勤務中に私用電話をすることは普通のことである。特に家族には堂々と電話をする。またコンビニの店員が暇つぶしに、スマホを見ている姿は日常茶飯事である。

 筆者の友人の話を紹介しよう。

 大韓航空のエコノミー席を利用して訪韓下ある日のことである。友人の前の座席に、韓国人の家族御一行様が乗って来た。すると、主任パーサーがやって来て、うやうやしく挨拶をしたそうだ。

 聞こえた話によると、どうやら大韓航空の幹部とその家族のようだった。その幹部の息子は、「お父さんがエライから、主任パーサーがあいさつに来たんだね」とご満悦だったという。

 これがファーストクラス内とか搭乗前の出来事だったとしたら、あり得る話かもしれない。ファーストクラスはそういうプライオリティの高い顧客がもともと多い。搭乗前であれば業務中ではあるが、まだ仕事が始まる前と見ることができるかもしれない。

 しかし韓国系企業では、顧客に対するサービスよりも、上司にゴマすりをして自分の位置を守る方が大切なのである。このような場面は時々韓国ドラマでも出てくる。

 友人は、この話をネット上のコミュニティに書き込んだ。すると、「何が悪いんだ、あなたが嫌がらせをされたわけでもないのに」という意見が大半だったという。韓国社会ではこのパーサーの行動は、社会人としての常識であり、正解なのである。

 韓国人には公私混同という言葉の意味自体が、分からないようなのだ。

 だから、ポッキーの模倣品が堂々とサンリオとコラボしてしまうのである。日本人にはあり得ない感覚だ。でも世界規模で見てみると、日本人の精神が美しすぎるだけなのかもしれない。

 韓国と付き合い始めて20年。理解したつもりでも、新しい不思議との出会いはなくならない。筆者の探求は、クリスマスが終わって来年になっても、まだまだ続きそうだ。

(立花 志音:在韓ライター)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78066


【産経新聞】「ポッキー&プリッツの日」と日韓の本家争い [11/11] [仮面ウニダー★]
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1699680231/