【11月27日 Xinhua News】中国の李松(Li Song)国際原子力機関(IAEA)常駐代表は24日、
IAEAの定例理事会で、福島第1原発の放射能汚染水の海洋放出に対する中国の断固とした反対を改めて表明し、
厳格な国際監督を全面的に受け入れ、協力するよう日本に求めた。李氏の発言要旨は次の通り。

 日本は国際社会の疑念と関係国の強い反対を顧みず、福島放射能汚染水の海洋放出を強行し、継続的に推進している。
福島放射能汚染水の海洋放出は決して日本一国だけの問題ではなく、原子力の安全な管理に関する重大な問題であり、
全人類の健康、世界の海洋環境、国際公共利益に関わる。

中国は日本の海洋放出に断固として反対し、日本に海洋放出をやめるよう促す。
日本は国内外の合理的な懸念に真摯(しんし)に向き合い、
責任ある建設的な態度で福島放射能汚染水問題を適切に処理しなくてはならない。

 原発事故で生じた汚染水を人為的に海に放出した前例はなく、大量の放射性核種の放出によって海洋に生じる累積的影響には、
極めて大きな不確実性が存在する。海洋放出される福島放射能汚染水の量が増えるほど、
国際社会は日本の浄化装置が長期的に有効で信頼できると考えられなくなり、日本の排出管理が30年間、
失敗や間違いを起こさないと考えることもできなくなる。

中国は常に、海洋放出を独断専行で推進する日本への国際監督を強化し、
福島放射能汚染水の海洋放出に対する長期的な国際モニタリング(監視)体制を継続的に整備するよう断固として主張し、
積極的に推進してきた。中国はIAEA事務局に対し、客観的で公正かつ科学的な態度を堅持し、加盟国との意思疎通を強化して、
日本に対する国際監視体制を継続的に強化するよう求める。
加盟国と理事会は日本に対する国際監視体制を整備する過程で役割を果たし、
日本の海洋放出問題と国際監視体制について定期的に審議しなければならない。

 日本が福島放射能汚染水の処分問題に真に責任を負い、処分の安全性に自信があるのであれば、
公開性と透明性を高め、より協力的になり、利害関係国と十分かつ有意義な協議を行い、各方面の懸念と意見を重く受け止め、
IAEAによる国際監視体制の継続的な整備と強化を積極的に支持すべきである。
中国は日本に対し、真摯で責任ある建設的な態度でIAEA事務局、加盟国と協議を続け、
厳格な国際監督の受け入れに全面的に協力するよう求める。

中国は利害関係者と共に努力し、IAEAが主導的な役割を果たすことを支持するとともに、科学的かつ責任ある態度で、
日本に対する独立した長期的かつ効果的な国際監視体制の強化に向けた努力に積極的に参画し、
日本の海洋放出が海洋環境と人類の健康に長期的な危害を及ぼさないよう確実に防ぎたい

2023年11月27日 10:45 発信地:中国
https://www.afpbb.com/articles/-/3493087