いよいよ第74回NHK紅白歌合戦の放送が迫ってきました。表向きはリハーサルも終わり、あとは本番を待つばかりかに見えますが、NHK内外の関係者からは「異変」を指摘する声が元職員である筆者の元に多数寄せられています。ジャニーズ問題が弾けた今年の紅白、舞台裏で何が起きているのでしょうか? ----------

前編記事『NHK内部からは「放送事故が起きるんじゃないか」と不安の声も…ジャニーズ抜きの「紅白歌合戦」準備の裏側で起きている「異変」』

■「紅白のためならどんな無理でも通る」

ジャニーズ枠消滅に、事前の調整や確認が大変な海外アーティストやアニメ関連の企画の増加など、イレギュラーが重なった今年の紅白、NHK内部からは「今年は放送事故が起きるんじゃないかと心配だ」という声も私の元に来ていますが、個人的にはあまり心配していません。

というのも、NHKにおいて紅白は外部の皆さんが想像する以上に異質な番組だからです。あらゆる無理が紅白のためなら「通ってしまう」のです。

たとえば、VTR制作ひとつ取っても、「紅白のため」なら人員もスタジオも機材も全て特別対応で調達できるのです。私は、どちらかと言えばそのために割を食う立場でしたので、よくわかります。

もし12月31日当日朝に、いずれかのアーティストが出演できなくなり、代わりにサプライズ出演が決まったアーティストがいたとしても、セット制作から何から何まで、全てが放送に無事に間に合わせられるのが紅白の凄みなのです。

ちなみに、本当か嘘かわかりませんが、かつて紅白に携わっていたことのある芸能番組出身の上司は、アーティストを民放からNHKに転戦させる役割を担っていたとき、「信号は全て青になるから必ず間に合う」と上層部から伝えられたそうです。

■世間は紅白の「音楽の力」に期待しているのか?

で、実際に同乗する送迎車がノンストップで都内某所から渋谷のNHKホールまで到達したと笑いながら話していました。一体、どんな力が働いたのか私には知る由もありませんが、このエピソードを語る上司の顔には嘘とは思えない迫力がありました。

あらゆる無理を通せる背景には、長年培ってきたノウハウに加えて、莫大な予算もあります。ある意味、カネの力でどうにかしてしまう「パワープレイ」も紅白の特徴です。

NHKは公式に発表していませんが、私が聞く限り、紅白の放送予算は5億円をゆうに超えるそうです。放送本番に加えて、数えきれないほど制作される紅白関連番組や、街中に掲出するポスター広告、ネット上のデジタル広告、X等でのSNSプロモーション施策の費用と職員・スタッフの人件費といった関連費まで考慮すれば、その金額はさらに膨れ上がります。

威信をかけて莫大なリソースを投下するからこそ失敗は許されない、だからこそどんな無理でも通すというのは紅白の文化です。そんなわけで、多少のトラブルはあろうとも、今年もきっちりまとめて来るはずです。

少し残念ではあるのですが、NHKの紅白に対する力の入れように対して、世間の目は冷めているように私には思えます。NHKによれば、今年の第74回への観覧応募総数は16万件ほど。前回よりも応募総数は10%近く減少しているようです。

音楽シーン自体がかつてと比べて変化し、その年を象徴するような音楽がほとんど無くなったことも影響していると思いますが、「音楽の力でどうこうする」という建てつけ自体に無理があると私は思います。

12/31(日) 11:04 現代ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9c508a2e4a17b30fcef19b1e6e112d5d83fe1ec

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