裕福な投資家がオーストラリアに簡単に移住できる制度、通称「ゴールデン・チケット」ビザが廃止されたことがわかった。

豪公共放送「SBS」によると、この制度はオーストラリアに500万豪ドル(約4億9000万円)を投資すれば、ほぼ自動的に永住権への道が開かれるもので、ほかのビザのように英語力を証明する必要も年齢制限もない。

ゆえに、外国の犯罪組織や腐敗官僚などが「汚れたカネ」を安全に保管しておくために、この制度を利用している可能性が懸念されていたという。

また、金持ちが永住権を「カネで買う」制度だとして批判の声もあがっていた。

豪ニュースサイト「news.com.au」によれば、とくに批判されていたのは同ビザ取得者の85%以上を占める中国の富裕層だ。

オーストラリアのクレア・オニール内相は廃止の理由として、「このビザが我が国と経済が必要とする移民制度を実現できていないことは何年も前から明らかだった」と語っている。

同国のグラタン研究所が2022年に公表したレポートによると、ゴールデン・ビザ利用者は高度なスキルを持つ移民よりも「高齢で、英語がほとんど話せず、所得が少ない」ため、国の経済への恩恵が少ないという。

今回の廃止はアルバニージー政権の移民制度見直しの一環であり、今後は起業家や投資家、世界的な研究者、重要産業で高度なスキルを持つ人材を多く呼びこむための制度を充実させていくとしている。

1/23(火) 19:10 クーリエ・ジャポン
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b2f948f6281fc04e4243d0d8c7ef966f361b6ab