すると、「美等母(見とも)」の「とも」を英語の"although"("all though"の縮約形である)に対応させることができるとすれば、「美礼杼(見れど)」の「ど」は、"though"に対応させることができると考えることができる。 ところで、"all though"は、もともと、"though"の強調表現として使われていたが、短縮されて"although"になっただけでなく、感覚的にも"though"とほぼ変はらない表現として用ゐられるようになってしまった。 このことは、"though"が"all"を吸収してしまったことを示しており、"though"の用法にそもそも最初から"all"の感覚が含まれていたのだと考へることができず。 実際、"though"は、メタ言語的に"all the same"という意味合ひを伝へていると説明することができ、例えば、「美礼杼(見れど)」は、"(I) see, all the same 〜"のように英語に対応させることができるだろう。 0439考える名無しさん2024/01/12(金) 11:42:46.400 さて、ここで、英語の"though"の語源説明を参照してみよう。
>though (adv., conj.) 「þeah」は、古英語の「though, although, even if, however, nevertheless, still, yet」と、古ノルド語の「þo」から成り立っています。両方とも、原始ゲルマン語の「*thaukh」(ゴート語の「þauh」、古フリジア語の「thach」、中世オランダ語、オランダ語の「doch」、古高ドイツ語の「doh」、ドイツ語の「doch」も同様)から来ています。これは、PIE の指示代名詞「*to-」(「that」を参照)から派生したものです。 (出典 www.etymonline.com/jp/word/though#etymonline_v_13252) 0440考える名無しさん2024/01/12(金) 11:43:57.950 >þeah Old English Etymology From Proto-West Germanic *þauh, from Proto-Germanic *þauh, corresponding to Proto-Germanic *þau (“in that case”) + *-uh (“and”) (cognate with Latin -que).
for all that, however, even so, yet (出典 en.wiktionary.org/wiki/þeah) 0441考える名無しさん2024/01/12(金) 11:49:03.330 見てのとおり、 >PIE の指示代名詞「*to-」(「that」を参照)から派生したものです。 という説明を除けば、「美等母(見とも)」の「と(等)」は、その用法においても、「こゑ(声)」の使ひ方においても、英語の"though"の語源や >古高ドイツ語の「doh」、ドイツ語の「doch」 にまでうまく対応していると云へるだろう。 0442考える名無しさん2024/01/12(金) 11:51:22.750 私に言はせれば、言語系統論に拘ることは、ことばの表現の解釈においては、無用な足枷にしかならない。