ここで、現代の日本語における「意識がと(飛)ぶ」や「と(飛)ばし読みをする」という表現について考へてみるといい。
私は、「〜ふ」という表現は、「〜」によって伝へられる作用/様態を「ひっくりかへす」というメタ言語的な指示であると説明してきた。
この場合も、それを当てはめてみることができる。
すると、「と(飛)ぶ」/「と(飛)ばす」とは、
>うご(動)きのかへ(返)しとして気づかれる"touch"/《touche》が生じなくなること/生じなくさせること、
要するに、「"touch"/《touche》を失ふこと/失はせること」を意味していることになるだろう。