>>356
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjca/53/3/53_3_17/_pdf

2)羅針盤の形成年代
1)羅針盤の前身は “ 指南浮針 ” と呼んで,宋代に
は盛んに使われていた。
2)浮針は,藺草(いぐさ)の “ なかご ” の白い芯に,
磁針を突き刺したものを使っていた。
3)その頃,既に磁北の偏心もよくわかっていた。
4)指南浮針は,少なくとも 1103 年以前から使われ

ていたことは明らか。これは,朱ケ(しゅいく)
が使節として高麗に赴いた時の紀行文『萍洲可談』
に明記されているからだ。
5)南宋時代には,浮針と円形方位版(これは紀元
前から風水の道具としてあった。)とを組み合わせ
た羅針盤は15分ごとの,48方位を刻む版であった。
6)この時代には,鉄を熱して人工的に磁化する方
法が発明された。
宋代には 4 回にわたって中国全土に及ぶ恒星観測
がなされ,正確な天文測量の基礎が確立された(図
10)。その成果は容易に複写しやすいように,「石刻図」
の形で残されている(図 11)。