逃走論文庫版1986,1984
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岩井 ぼくが最近読んだSFの本で「Hitchhikers' guide to the garaxy」(邦訳『銀河のヒッチハイクガイド』
新潮社)というのがありまして、その本自体は面白くなしんですけど、ただーつ面白いところがある。コンピ
ューターが何千年かの計算をして、世界の大問題の答えが出たんですね。
答えは何かというと「42」というんですね。ただ問題はその答えのクエスチョンが何であるかわか
らない、(笑)そういうエピソードが入っていた。マルクスもそういうところがあると思う。「古典
派」というものがあって、それが「42」という答えを出している。しかし、それが何に対する答え
かというのがわからないからあれだけー生懸命ガチャガチャやって、S Fだったら物語になるし、
マルクスだったら大英博物館の椅子が薄くなるほどー生懸命できたということになるんだと思いま
す。そして、そういうプロセスのうちに答えの「42」なんてどうでもよくなってしまうんですよ。