деть なんて吾人は今までロシア語会話の中では使ったこと無いと思う、多分w
勿論、その存在はずっと前から知ってるけど。
スロベニア語にも同義で deti という動詞あるし。
スロベニア語では一人称現在単数で dem(又はdejem)とすると「言う」の意味になり、denem と活用させると「置く」の意味になる。
更には「する、為す」の意味にもなる。

実はこの語は印欧祖語の *dhē-「据える」という語根から直接出た、もの凄く古い語詞である。
元々母音で終わる短い語根だったので、印欧語的にはその運用は不規則的で難しい。
なのでラテン語は facere「する」のように語幹を延長して第三変化動詞に組み替え、サンスクリットは前に畳音を置いて dadhāti としている。

んでスラブ語はどうしたかというと、現在形では-n- という要素を取り入れて語幹を延長し、スロベニア語では上記のように denem、ロシア語では denu のように活用することになった。

この-n- という動詞語幹を延長する要素は、ロシア語(スラブ諸語)の至るところに見られる。
ロシア語 dvigat' に対する完了体 dvinut'(<*dvignut')を見ても分かるように、その要素が付くと「一度その行為を遂行する」という意味合いが強くなる。