ハンJ読書部☆3
レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。
>>936
呉秀三の弟子の石田昇が留学中に発狂して殺人事件起こしてしまったんで😲
石田昇の存在は長いこと日本の精神医療ではタブーだったみたいやけど最近は解禁されてきたみたいやね🙋
長崎医専精神病学科の初代校長でセルバンテスの『ドンキホーテ』を翻訳していた怪人石田昇🤔
ちなみに石田の後をついで長崎医専の教授になったのが斎藤茂吉🤗 不登校時代の尊師は競馬が好きでWINSによく行っていたという上級らしからぬエピソードすき >>951
籠池オバハンの本に尊師出てきて驚いたんやがそれについても詳しく書いてあるん? >>955
『炎上弁護士』には「周囲には「何の利益にもならない」と止められたけど不当拘留が許せなくて籠池夫妻に面会した」って書いてあるで
ツイキャスで尊師と菅野完が共演してたのもそのへんの関係やろか 斎藤茂吉はたしか呉秀三の本を読んで真面目に精神医学を志したんやったっけな
もともと進学できない山形の田舎の秀才だったのを斎藤脳病院に婿養子として拾ってもらったわけやから精神医学やるのは規定路線だけど
ちなみに斎藤家は茂吉と一緒に出羽ヶ嶽とかいう巨人症の力士も養子に取ってたりする
この一家の歴史をトーマス・マンの本歌取りで大河小説にしたのが次男の北杜夫なのは上にもあった通りやね
北杜夫はエッセイも童話も純文学もおもしろいし茂吉の評伝四部作もええで
兄のモタさんこと斎藤茂太の『茂吉の体臭』ともども岩波現代文庫に入っとる
あと茂吉の評伝やと同じ医者で歌人の上田三四二『斎藤茂吉』は茂吉の体質をいろいろ検証してておもろいで
あと『斎藤茂吉 異形の短歌』とか書いてる東大駒場の品田悦一も
『万葉集の発明』とか「近代になって作られた伝統」系の研究を短歌の分野でやっとる貴重な学者先生や
茂吉の短歌評釈は講談社学術文庫に入ってた前衛歌人・塚本邦雄の『茂吉秀歌百首』シリーズ(何冊かある)をあえて推すで
糞リアリズムの牙城やったアララギ系の読解をボロクソけなしながら茂吉の異様な感性から生まれた歌の官能的な美しさを論じてる本や
塚本は基本的に散文だとハイテンション過ぎて読んでて疲れるところもあるんやけど地味な印象のある茂吉の短歌を鮮烈に読みかえてくれるからオススメしとくやで 品田悦一って『万葉集の発明』だけ読んだ感じやとカルスタっぽい感じがしたけど
割と正統派の国文学者やったんやな
『異形の短歌』面白そうやから読んでみよ
『万葉集の発明』では茂吉の『万葉秀歌』に触れとったな
斎藤茂太『茂吉の体臭』にも書いてあったと思うが「斎藤茂吉がニワトリ並みの早漏」ってのをそもそもバラしたのは岩波の小林勇やったっけな
小林勇はやたら他人の下半身事情を暴露してる気がするンゴ 和歌がわかる兄貴たちはすごいンゴねえ
日本思想史が好きなんで戸田茂睡・賀茂真淵・本居宣長あたりの近世国学者の文章を読んだんやけど歌論ってのは難しいやね
古今伝授や二条・京極・冷泉の三家に独占されていた中世歌学を論理的で開かれたものにしようとしたのが
近世国学者たちの営為やったそうやけどそれでも難しいわ
宣長の歌論「あしわけをぶね」を読んでたら
「和歌は言辞の道也。心におもふことを、ほどよくいひつづくる道也。心におもふことを、ありのままにおもふとをりにいへば、歌をなさず。歌をなすといへども、
とるにたらざるあしき歌也。さればずいぶん辞をととのふべき也。ことばさへうるはしければ、意はさのみうhかからねども、自然とことばの美しきにしたがふて
意もふかくなる也。」
という一文があったんで「ほーん、やっぱりレトリックや単語に凝った歌を読むべきなんやなあ」って思ったらそのすぐ後に
「大率上古の人は質朴にしていつはりすくなし。後世は文華多く、偽り多し。されば今の世の歌、十に七八はみな実情にあらず。偽り也。
みな古人のまねをする也。詞も今の平生の言語にあらざれば、古の雅言をかり用ゆる也。いはば古の雅言をかりて今の情を詠ずるなれども、
その情も全く今の情にはあらず。」
「ファッ?!綺麗な古語を使えば嘘っぽくなるなら結局どうやって詠めばいいんですかね…(困惑)」ってなったわ
宣長は古今と新古今の評価についてもやたら複雑な言い方してるし歌論ってむずかC 池が半分凍ってるみたいなくだりがあるやつだったっけ(うろ覚え) >>959
宣長の他の著作では「言葉を美しく整えて詠みたいという自分の心に忠実に詠めばいい」みたいに書いてあって「???」ってなったわ。 ところでこういう国学者の文章で「質朴」「文華」をそのまま「しつぼく」「ぶんか」と読んでええんか🤔?
「後世風」→「のちのよぶり」、「大人」→「うし」みたいに、何が何でも訓読しなきゃいかんのやろか? 学部生の時「本居宣長の歌が下手くそなのは自明」みたいな説明されたけど
和歌の上手い下手が全くわからなかったわ 短歌詳しくないけど現代短歌で歌論も熱心にやってるのは高野公彦やったっけ?
高野の師匠である宮柊児 短歌詳しくないけど現代短歌で歌論も熱心にやってるのは高野公彦やったっけ?
高野の師匠である宮柊児が日中戦争の体験から詠んだ「引き寄せて寄り添ふごとく刺ししかば声も立てなく崩をれて伏す」は体験的な反戦?の歌として有名やね 国文学者の小松英雄や鈴木健一は「和歌は現代語訳で理解しないほうが良い」と言ってたな🤔
現代語訳すると語彙や構文に含まれている生理的要素が削がれてしまう危険性があるとか😓
小松英雄『古典和歌解読-和歌表現はどのように深化したか』(笠間書院)と鈴木健一『古典詩歌入門』(岩波テキストブック)は面白かった🙆 >>962
質朴は「かたちすなほ」と読めなくもないけど文華は漢語読み避けるならどう読むんやろな🤔
大人(うし)で思い出したけど柳田國男や折口信夫は文章に宣長や篤胤の名前を出す時に大人って敬称をつけるやね🙄
柳田も折口も国学の後継者を自認してたところあるしな🤔
柳田は民俗学を「新国学」とも名乗ったし折口の学問形成は國學院やし🙋 福田恒存はその辺の自称保守とは違うみたいな前評判があったから、評論集期待して読んだんやが正直期待外れだったわ
申し訳程度の全体主義批判と日本の精神的近代化の必要性についてちょろっと話したら後はもうひたすら進歩主義的知識人批判アンド批判
そのためには自分の恣意的な感情論は勝手に断定して一般化するのに相手の主張は価値相対主義唱えて攻撃したり、時期関係なく評論と評論で言ってることが矛盾させてたり
自分の立場からなら当然批判すべき内容なのに身内に対しては軽く苦言呈するだけでクッソ甘かったり、「何を言ったか」ではなく「誰が言ってるか」で決めるウヨしぐさかましたり
何ちゅうかもうこの頃から日本の保守論壇って劣化始まってたんやなと
オルテガやハイエクは面白く読めたんやがこいつはそういうオールドリベラルではないわ
福田自身自分でも言っとるけど個人主義者ではなく利己主義者やな 尊重しとるのは自分個人だけや 劇作家としての福田恆存もどうなんやろな
金嬉老事件を題材にした喜劇『解ってたまるか』を劇団四季のDVDで見たけどイマイチやったわ
古い戯曲やし現代小演劇とはノリが違うのもあるんやろうけど 前スレにいた兄貴のレスやけど面白かったので再掲
批判的な福田恆存論が読みたいわ
小林秀雄や保田与重郎の批判はあっても福田批判はほとんど見ないンゴ
0194 マンセー名無しさん 2018/07/01 23:03:04
福田恆存批判はちゃんと為されるべきやな
何年か前に福田恆存論が群像の評論賞で優秀作か何かになっとったが、やっぱり福田ageやった
個人的には「演劇的なもの」を軸に据えた知識人として右に福田、リベラリストの林達夫、左に花田清輝あたりを並べて、その根本にある人間観みたいなものを批判してほC
三人とも社会の情勢を考慮したうえで「役割を演じている」節があると思うんやが、林や花田と比べると、後年の福田はそれが「演技」に過ぎなかったことを忘れかけて「保守文化人」「右派論壇」みたいな党派性に安住してしまった気がするんや
あとの世代で同じく演劇を文明論の基礎に置いた右派の山崎正和、岩波系の中村雄二郎なんかも含めて大きな見取り図ができるとさらにええな 本居宣長のねじくれた「実情」や特殊な歌論については清水正之『国学の他者像』(ぺりかん社)って本をオススメするで
日本思想史学会でそこそこ話題になった本や
子安宣邦が批判するような宣長のナショナリズムだけやなくて
「他者」に対して恐ろしく繊細で屈折していた宣長の自己意識を読み解いていて面白いんや
宣長は自己と他者との距離に自覚的だったからこそそれが未分化だった古代の共同体を夢想したという逆説 福田の劇的なるもの読んでるけどおもしろいよ
過剰に評価するのもおかしいけどロレンスとエリオットとシェイクスピアに影響されてるっぽいから近代批判もうなずける
主義の批判してホンモノの右と左は批判しないというのはお決まりのやり方だがそれさえできない人が多いわけで 高坂正堯ってどうなん?
弟子にはロクな奴おらんけど 意外なとこではオタク系ライターの多根清史も高坂門下やったらしいね
高坂本人はさすがに安定感あるで
国際政治系の解説本としていまだに定番やと思う 父親で京都学派哲学者の高坂正顕のほうがすこ😘
リアリズムの高坂とそのライバルの理想主義の坂本義和が日本の国際政治学の権威やったけどどっちの学統もあまり良い印象ないな🤔
>>976
『ガンダムと日本人』とかいう新書出しとったね🙄
小沢一郎がシャアだとか😎 独ソ不可侵条約締結時の平沼内閣の無能外交例にあげて「イデオロギーの対立関係と外交関係は分けろ」とさんざん言ってたのに、米中関係ではイデオロギー対立に固執しすぎてアメカスと中国の接近を予想できずにニクソン訪中で自分が平沼騏一郎状態になってたのは草
何ちゅうかきっと中国嫌いだったんやろなと
でもまあ諸々の指摘自体は参考にはなるで
米朝関係時の安倍外交なんか見る限りその指摘が生かされとるとは思えんのが悲しいところなんやが 日本人って今のウヨ反動政権に限らず、悲しいほど外交が下手くそな民族のような気がする・・・
百歩譲ってイデオロギー主導ならそれでもいいんだけどその割には、価値観やイデアのために利益度外視でも動く人間がいるということが理解できてないし。リアリズムというよりもっとプリミティブな「身内/他人」論理を国際外交にまで延長しちゃってる感が。
だから米中米朝接近や盗聴暴露事件みたいな事態に遭うと「良くも僕の信頼を裏切ったな・・・」とか「信じたくない・・・」みたいな反応になる。 >>980
高坂は「日本政府は内政面では歴史的に見ても極めてリアリスティックで堅実な統治政策を取ってきたのに、外交面では途端にそれができなくなる」って日本のそういう国民性・国家権力のあり方を割と客観的に分析しとるんやが、
結局自分もその枠を超えられなかったと言うのは笑えない笑い話やな
まぁそれこそ主権国家成立以来500年近くもの間色んな国と同盟やらその破棄やら秘密外交やら戦争やら繰り返してきた欧米諸国と、
その間にせいぜい制限外交しかせずひたすら内政統治に専念しとった日本とでは近代外交の積み重ねの量が違いすぎるから仕方ないわな 坂本義和の方が好きやわ
高坂とか単なるアメポチやろ 食わず嫌いしてたけど、内田樹の構造主義の入門書なかなか面白かった
他にも買ってみようかな 内田樹は政治評論はダメダメやけど思想系は安定してるで
レヴィナス関係の本はだいたいおもろい >>983
「寝ながら学べる構造主義」は「初めての構造主義」と並んで現代思想の入門書として手頃よな
これまで「未開人」とされてきた存在が
実は形が違うだけで西欧人と同じかそれ以上の合理的思考をしていたことが人類学的に検証されて、
そしてそれがそれまで当たり前のように唱えられていた西欧中心主義やら唯物史観やら実存主義やらの一切をぶち壊していった…ってのは高校の頃読んで結構衝撃やった
巻末の人物集なんかも後々アカデミックな本読んでく上で何かと役に立ったわ 国際政治学とはちょっとズレるけど
芦田均『第二次世界大戦外交史』、幣原喜重郎『外交五十年』、森島守人『陰謀・暗殺・軍刀』と戦前の外交官って国際政治の現場について優れた証言を書いてるやね
『寝ながら学べる構造主義』はワイも予備校で現国の講師に薦められて読んだんやけど
近年の受験業界では高校生に読ませる本の一冊みたいやな
国文学者石原千秋の一連の新書もそうやったけど「受験に使えてタメになる面白い本」ってのはええもんやね >>986
そういうので言うなら桑原武夫の『文学入門』もええなぁ
いわゆる「小説問題」の大学側の出題趣旨がわかるし、
この本に出会わなかったらワイの中では文学と大衆小説の違いもわからないまま文学なんぞ「教養・娯楽のツール」で終わってたわ 最近売れっ子の白井聡って論調がワンパターンだよな
内田とも確か対談してた気が 戦中の進歩的知識人の言論があほらしすぎて日本浪漫派のほうに興味が行った
いまでは文庫とかもほぼないし忘れ去られてるけど重要だよな 構造主義はマルクスの上部構造・下部構造の話をいじくりまわしてるようにしか見えない 大分前のレスで名前が出てる京都の新学社って出版社が保田与重郎文庫とか近代浪漫派文庫ってレーベルで
日本浪漫派の著作復刊してるで
http://www.sing.co.jp/book/index.html
個人的には蓮田善明の著作を文庫に入れて欲しいンゴ
蓮田全集は古書価格も高いし
あと次スレ立ててみたで
ハンJ読書部☆4
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/korea/1545552996/ 戦争責任は重いんやけど保田をはじめにイロニーが強い分体制にもそこまで迎合しなかったってのが日本浪漫派の奇妙な立ち位置やな🤔 橋川文三『日本浪漫派批判序説』によれば
負の遺産として忘却されていた日本浪漫派の「再発見」に先鞭をつけたのは1951年の竹内好の論文「近代主義と民族の問題」らしいで
侵略のイデオロギーに堕落したアジア主義を再び位置づけしようとしたのもそうやけど
竹内好は独特のエトスを持ってた知識人やね あと吉本隆明の「重層的な非決定」はアルチュセールの「重層的決定」を意識してたんやろな 東亜協同体論に三木清や尾崎秀実が関わってたようにアジア主義は割と複雑な思想やしな NHKニュース ミッシェル・フーコー教授来日
https://www.youtube.com/watch?v=Klh1VAUmzck
吉本と対談したのはこの時かな?対談は『世界認識の方法』って本になってたはず 科学哲学のイアン・ハッキングはフーコーの系譜学(アルケオロジー)の後継者と目されてるな
フーコー自身のゲイというセクシュアリティとHIVで亡くなった生涯に関してはハルプリンの『聖フーコー―ゲイの聖人伝に向けて』が面白い このスレッドは1000を超えました。
新しいスレッドを立ててください。
life time: 108日 21時間 30分 28秒 レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。