夏場に浴衣姿で街を歩く人を多く見かけるように、日本では伝統的な和服を着る風習が日常生活に残っている。一方中国では各種の伝統的ないでたちで街を行く人に出くわす確率はかなり低い。この差はどこにあるのだろうか。

中国メディア・今日頭条は15日「中国人が漢服を着ない事情はそんなに簡単な話ではない」とする記事を掲載した。

記事は「日本では子供からお年寄りまで日常において和服で出かける姿を見かける。しかし、中国国内では漢服や唐装で街を行く人がいないのはなぜなのか」と疑問を提起。

「日本には改革があっても革命はなかったのに対し、中国では無数の革命が起きてきたほか、近代において伝統的なものを封建時代の陋習として捨て去ったため、伝統衣装を身に着ける社会環境がない」という理由のほかに、3つのポイントを挙げて解説している。

1点目は、今の中国社会はなおもモノの豊かさを求める状況にあり、伝統衣装の良さを見直す余裕がないこととした。

2点目は、教育がしっかり行われてこなかったため、多くの人が伝統衣装の実物を見たことがないうえその特徴を把握しておらず、着心地や着こなしについて語れるひとがほとんどいないことを挙げている。

そして3つ目は「中国は多民族国家であり、各民族がそれぞれの伝統衣装を持っている。われわれは各民族の文化を尊重しなければならず、1つの民族の衣装で統一することは他民族の感情を傷つけることになる」とした。

漢服はあくまで漢民族の服装であり、それを他民族にまで押し付けるのは民族間の団結を損ねる由々しき問題になりかねないという訳だ。

記事はまた「服装は外的なものにすぎない。わが国が必要なのは内在的な文化の継承と普及なのだ。毛筆で字も書けず、漢詩も作れず、水墨画も書けない体たらくで文化を語る資格はない」とも指摘している。(編集担当:今関忠馬)

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(イメーシ゛写真提供:(C)Jonathan Kos−Read/GATAG)