【ソウル聯合ニュース】韓国の趙承煥(チョ・スンファン)海洋水産部長官は21日、国会農林畜産食品海洋水産委員会の全体会議で、
東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出を巡り韓国海洋科学技術院(KIOST)と韓国原子力研究院(KAERI)が発表した汚染水の拡散シミュレーションの結果について、
政府の公式の立場ではないと述べた。

 趙氏は、野党議員からの「シミュレーションの結果、汚染水を海洋放出しても韓国海域に大きな被害がないという結論が出たが、
これが海洋水産部の公式の結論か」との質問に対し、「そうではない」と答えた。

 続けて、「今回実施したシミュレーションはモデルを高度化した後、現状況で確保可能な資料に基づいて実施した初の研究という意味がある」としたうえで、
汚染水の海洋放出による韓国海域への影響は別途の検証が必要だと説明した。

 両機関の研究陣は16日、日本政府が明らかにした汚染水の海洋放出に関する実施計画案を基礎資料としたシミュレーションの結果について、
日本が10年間にわたり年間最大22テラベクレル(テラは1兆)のトリチウムが含まれた処理済み汚染水を放出すると仮定した場合、
福島沖に放出され韓国海域に流れ込むトリチウムの濃度は10年後には1立方メートル当たり約0.001ベクレル前後になると発表した。
現在の韓国海域の平均トリチウム濃度である1立方メートル当たり172ベクレルの10万分の1の水準で、現在の分析機器では検出できない程度の濃度だという。

 一方、環境団体などはシミュレーション結果について、日本政府のデータを信頼できないうえ、トリチウム以外の放射性核種に対する分析が抜けていると指摘している。

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記事一覧 2023.02.21 15:35
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