2023年4月10日、中国のポータルサイト・百度(バイドゥ)に、日本の漫画やアニメといったいわゆる「二次元文化」を考察した文章が掲載された。文章は日本の二次元文化の起源、発展、派生、そして影響の面から論じている。

文章は、「二次元という言葉は、現実世界(三次元)と仮想世界(二次元)を区別するために日本のネット掲示板で最初に登場した」と紹介した上で、「日本の二次元文化は一世紀を超えて形成された独特の文化現象。これはすでに日本で浸透しており、若い世代のライフスタイルや価値観に影響を与えている。日本文化は世界的に重要な影響力を持つ文化の一つだ」と指摘した。

1.起源
文章は、「二次元文化は19世紀末のヨーロッパ、当時の芸術家たちがさまざまなキャラクターや世界観を生み出し始めたことが元になっている」と主張し、「ヨーロッパの作品は後に日本のアニメや漫画産業に導入され、アニメキャラクターの主な礎となった。戦後の日本ではアニメ文化が広まり、アニメ産業がますます盛んになった。その過程で、愛好家の中には自分の趣味を喧伝する人も出現し、彼らは二次元文化のパイオニアになっていった。そして、二次元文化が人々の視界に入ってきた」と述べた。

その上で、「明治時代以降、優秀な漫画家やアニメーターが数多く出現した」とし、例として手塚治虫氏、宮崎駿氏、新海誠氏を挙げた。文章は、「彼らにより『鉄腕アトム』『となりのトトロ』『君の名は。』などの有名な作品が生み出され、世代を超えて観客に影響を与えてきた」と評価した。

2.発展
文章は、「二次元文化は戦後日本のアニメ、ゲームなどの多くの分野で広く応用され発展してきた。最初はアニメ、そしてゲーム、小説、音楽などの二次元文化は一歩ずつ成熟していった。一連のビジネスモデルや組織のあり方を含む文化現象に発展した」と指摘。ビジネスモデルの在り方として、アニメイベント、コスプレ、二次元週刊誌、公式サイト、ネットコミュニティーなど、さまざまなイベントやメディアの例を挙げた上で、「この分野は急速に発展し日本文化の一部となった。国際的にも認知されるようになったことで、日本文化全体の普及が促進された」と分析した。

また、「二次元文化の発展にはいくつかの段階が存在する」と持論を展開。最初の段階は1960年代から80年代とし、代表作に「鉄腕アトム」、「魔女の宅急便」、「ドラゴンボール」、「聖闘士星矢」を挙げ、「この時期の二次元文化は、SF、ファンタジー、冒険などの題材が中心で、当時の日本社会の変革や夢を反映していた」と述べた。

次の段階は90年代から2000年代初頭とし、代表作に「新世紀エヴァンゲリオン」、「スラムダンク」、「美少女戦士セーラームーン」、「凉宮ハルヒの憂鬱」を挙げた。文章は、「この時期の二次元文化は、恋愛、学園、萌え、ハーレムなど、当時の日本社会の多様化と娯楽を反映したジャンルやスタイルが増え始めた」と評した。

最後の段階は2000年代半ばから現在に至るまでとし、代表作に「ソードアート・オンライン」、「鬼滅の刃」、「名探偵コナン」、「進撃の巨人」を挙げ、「この時期の二次元文化はグローバル化とネットワーク化が進み、インターネットやSNSなどのプラットフォームを利用して、二次元の作品や情報を発信、交流するようになった。同時に、ライトノベル、同人誌、コスプレなど、より多くのイノベーションやブレイクスルーも生まれた」とした。

(略)

4.影響
文章は、「二次元文化は現代文化の一つとして、日本文化にまつわるメディアや言論を動かす。アニメ、ゲーム、音楽、小説などの分野を問わず、優れた影響力を発揮している。そしてその影響力は日本文化の未来を形作っている」と評価。「二次元文化による製品も注目されており、メディア文化の連鎖的反応と総合的な影響はすでに世間に認識されつつある。同時に、二次元文化は、世界各地におけるコスプレやサブカルチャーの台頭を促し、スマホゲーム、ゲームを原作とした映画など、新たな潮流やトレンドをもたらしている」と分析した。

そして、総括として「すでに発達し成熟した文化現象ではあるものの、二次元文化は人々の想像や希望を反映するだけでなく、一種の文化経済でもあり、大きな商業価値を生んでいる。二次元文化は多くの優れた作品や人材を生み出しただけでなく、日本ひいては世界の文化交流や産業の発展にもつながった」と述べ、「将来、二次元文化は日本で発展し続け、さらに多くの人々に喜びや楽しみをもたらすだろう」と予測した。(翻訳・編集/柳朱音)

https://www.recordchina.co.jp/b912905-s25-c30-d0035.html