私はこのスレに投稿を始めて三年近くになりますけど、
意識のハードプロブレムは人間の認識能力の限界を超えたもの
のような意見をちょいちょい見た気がします。
ひょっとするとそれが一番の多数派かもしれないくらいの印象もあります。

ところでこの考え方には暗黙の前提があります。
意識のハードプロブレムが真っ当に成立している問いだということです。
ゼロの除算のような除算でありながら除算としての答えがないようなものではなく、
解明されるかどうかはともかく自然科学としてのちゃんとした答えがある
と考えられているということです。
それに対して私は意識のハードプロブレムは疑似問題だと考えています。
物質と精神との相互作用が理解できないのは物心二元論の破綻であり
つまりその問題自体が始めから無いという考え方です。
そこでもし意識のハードプロブレムが学問的に成立する課題だと考えるのならば、
そのことを論証するか、もしくは疑似問題ではないということを論証するかの
いずれかの必要があると思います。
物質の存在を完璧に証明するのはじつは不可能ですが
(他者の意識の存在さえ完璧には証明できませんから)、
しかし「何故その様に考えるのか」という問いには答えがあるはずです。

とりあえず誰も答えないとは思いますけど
とにかくそういうことがあるということです。