仮に店で会計をする際に、「1+1=2」であるところの数のルールに基づかず、別のルールに基づく計算をすると「話が通じない」という事態が起こる。

また、専門的な話をする場で、「1+1=2」であるところの数のルールに基づく計算しかしなければ、「話が通じない」という事態も起こりうる。

つまり、ルールならどのようなルールでも良いのではなくて、「現実の営為に基づくルール」でなくては現実的な営みは不可能なものになるということである。

そうした「本質的なルール」は、批評の空間に於いて自らの意見や主張に同意がある時に形成される。

そのような「同意のある作品」と「作者」に於いて、つまり、客観的な作品と主観的な作者に於いて、主と客は相互的な関係性を形成する。

意識は、初め主と客の対立を見るが、そこから反省的に形成される相互的な関係性を俯瞰することで自らを自覚する。