存在は意識による創造的な言語的区別により形成される。それが「存在」である。言語的区別により何かしらの存在は現れる。

「存在」は「『存在』という言葉」と「存在の対象」の区別を有しており両者は不可分である。そして、相互的(一体的)であるが区別を形成した意識は自覚を得る。

つまり、自己意識は区別と相互性を通して自らを自覚的に形成する。

また、「存在」と「非存在」の区別に於いて、例えば「A」と「非A」であるが、意識は「Aの本質」(発音や形といったルール)を守る存在を「A」として見る。

「本質」は、ルールとして、現実的な世界の中に浸透している。それがなければ、前言語的な意識として、世界は境界線を失い不明瞭なものになるだろう。

意識はそうした「ルール」の世界に規定され、そしてまた、そのルールを改変しつつ生きる。「意識」や「存在」は、そうした循環に於いてのみ現れるだろう。