『死』は乗り越えられる
ある系において連続して起こる現象Aと現象Bの形相の間に
共通因子があった場合
現象A∩現象B={a,b,c}
という風になる
これは{a,b,c}が同じ要因として現象Aと現象Bが起こることを意味する
1度あることは2度ある
一度生まれたら2度生まれることを意味している
一度目の誕生∩二度目の誕生={a,b,c}である
つまり死は乗り越えられる 一度目の誕生∩二度目の誕生={無から産まれる、十分に時間がある}である
つまり死は乗り越えられる 「死は、もろもろの悪いもののうちで最も恐ろしいものとされているが、じつはわれわれにとって何ものでもないのである。なぜかといえ
ば、われわれが存するかぎり、死は現に存せず、死が現に存するときには、もはやわれわれは存していないからである。そこで、死は、
生きているものにも、すでに死んだものにも、かかわりがない。なぜなら、生きているもののところには、死は現に存しないのであり、他
方、死んだものはもはや存しないからである。
。」
エピクロス『メノイケウス宛の手紙』より キーン コーン カーン コーン
学校のチャイムが鳴る。今日は裸になって吸盤戦という勝負をする。
部室は全部で200部屋もあり、女子生徒たちはおっぱいを出し合っている。
「緑川さん、相変わらず、吸盤戦強いね」琴美が驚いた表情を見せる。
「当たり前よ」緑川は冷徹さながらの表情だ。
「どうして、緑川さんは、そんなに強いんですか?」琴美は滑舌こそよかったが、緊張していた。
緑川は黙視していた。琴美はまた喋った。「やっぱ、才能ですか?努力ですか?」
緑川は、「才能よ」というと部室をあとにした。あたりは少しではあるが、静寂していた。
「優香さん、やっぱ才能なんですか」琴美が貧乳を隠している感じがした。
優香「才能も、大事だからね。でも努力だって緑川さんが一番していたのよ」
琴美「じゃあ、鬼に金棒ですか・・・。努力も一番するなんて・・・」 ーーーーー
優香「鬼に金棒がヒントよ」
琴美「どうしてですかあ」
優香「金棒って知らないの?」そういうと優香はふふっと笑った。
琴美「金棒がどうかしたんですかあ」
優香「金棒の棒は知ってないようね」
琴美「いみわかぁりぃませーん」
優香「大人になってからでも構わないわ」優香は笑う。
琴美「えー今教えてくださいよぉ」
優香「棒ってどう思うの?」
琴美「バトンですかね」
優香「それはいい線いってるわ」
琴美「よかった」そういうと放送が鳴った。「午後1時から吸盤戦を行います」
琴美「優香さん、勝負してきますっ!」 気をつけろ
とか がんばれ
とか他人に言った瞬間
自分はサボれるスペースに入れる
という幼稚な計算を思いつくウジ虫 気をつけろ
とか がんばれ
とかそんなの
誰でも気付けるし
誰でも言える
意味不明な高見の見物を始めるウジ虫(サボリ魔) 俺だけが見えてるんだぞ
的な意味不明な優越感
みんな見えてるわ笑 みんなが飛んで来るミサイル見えてるのに
気をつけろ❕
とか がんばれ ❕
って言って即座に逃亡スペースに入るゴミ(笑)
お前が戦えよ笑 ろくでなしブルースに出てくる
頼むまっせ
野郎だな
お前が戦えよ お前がリスク負え 雑魚のくせに 逆に低知能のお前にしか見えないミサイル
ってのが何なのかが気になる
そんなに見えるならお前が撃ち落とせ
w
人に頼むな 俺はやらないけど
応援してるぜ
みたいな感じなの?
まずお前から殺してやるよ 敵よりも何よりも 命がけで
リスクのないスペースに
入ろうとする全身全霊の
乞食スタイルの滑稽さ(笑)
コントみたい 命がけで
リスクのないスペースに
入ろうとする全身全霊の
乞食スタイルの滑稽さ(笑)
コントみたい そこまでして生きのびたいやつは
恐らく死ぬんだろう(笑) そもそも頑張ってねー奴に
頑張れ とか言われたくないし
それ自体が侮辱罪 優香「いってらっしゃい」優香は笑顔でいった。
琴美はどうしたら豊満になるか考えていた。
「ぜったい、絶対に緑川さんを越えて見せる!」琴美は意気込んだ。
茜「そう上手くいくものではないわ。甘いわよ」言われた琴美は驚いた。
琴美「茜先輩!?」
茜「葵ほど胸があるわけでもないのに…」
琴美「葵先輩は、少し膨らんでますが……」
葵は眼鏡をを掛けていた。
葵「茜さんは、四年生ですね。琴美は一年生。当然、発達が違う」
琴美「葵せんぱーい!?発達なら自信つけときます!」
葵「茜もある方というわけではないけど、あるっちゃある」
茜「なにぃ?葵には負けてない!」茜は胸を強調させた。
葵「そろそろおっぱい見せあいっこか」恥ずかしそうな顔で言った。 死後を知っていると主張する人々がいる。
特に主教の教祖たちは死後を説明する。
しかし証拠を示した者は誰もいない。
天国を説明するイエスも、輪廻を言う釈迦も証拠を示せていない。 死を体験した人々が、生には戻ったことは一度としてない。
だから誰も死後については知らない。
イエスや釈迦たちは証拠を示していない。
臨死体験者は、まだ死んではいなかった。
前世を記憶していると主張する人々も、証拠は示していない。 「魂(soul)にはエネルギーがあり、エネルギー保存の法則により、
死後も魂(soul)のエネルギーは存在する」
と主張する人々がいる。
しかしあまりにも粗雑で稚拙な物理学である。
たとえば、生が炎のようなものだとすれば、
モノが燃え、炎が生じ、燃え尽きて炎が消えれば、灰になる。
エネルギー保存則は成立しているが、炎は戻ってこない。 死後の世界という凡夫には見えない世界を信じられないのは無理ないのだろう。
しかしながら死後の世界を見てみれば、はたまた実体験してみればおのずとわかるだろう。 死後の世界はとは、
「全身麻酔して意識を失っている状態が永遠に続いている」
と想像するのが、最も妥当だろう。 学校コールが鳴る。「『はーい、おっぱい部に所属する女子生徒たちは、今すぐ吸盤戦を始めるので部室に集まりなさい。
吸盤戦をキャンセルする生徒は便箋に名前と理由を添えて渡しなさい』」
琴美「今日はだれと試合するんですかぁ」
茜「二年の紅葉(もみじ)と対戦ね」
琴美「紅葉先輩とおっぱい見せ合うんですかぁ。初めてですが」
茜「初めて?それはどういう意味?」
琴美「紅葉先輩と試合するのが初めてってことです」
葵「紅葉は中乳ね」
学校のコールが鳴る。「『それでは吸盤戦ルームに集まり、おっぱいに吸盤を付けなさい。
両者吸盤を付けるのがすんだら、試合開始です。それでは、スタート!』」 琴美「紅葉先輩!今日はよろしくお願いします」琴美は頭を下げる。
紅葉「よろしく。さあ脱ぎな」
琴美はせっせと制服を脱いで、ブラジャーも脱いで、裸になる。
紅葉も同様に、服を脱ぐのだった。
琴美「吸盤ってこれですかぁ。今付けます」
紅葉は琴美の片方の吸盤を胸に付けた。
琴美は吸盤を付けると、外れないようにする欲が湧いた。
紅葉「それでは始めましょう」
同時に「よーいスタート」と言った。
琴美「おっぱいが引っ張られますぅ」
紅葉「バランスが大事なのよ」 琴美は圧倒的に負けていた。両方の乳首から吸盤がはがされるのだ。
琴美「先輩!手加減してくださいよぉ」
紅葉はふっと笑った。ニコニコして「手加減?これっぽっちも本気じゃないわ」
琴美「うぇーん負けたーー悔しいーー」涙ながらに嘆く。
琴美「どうして吸盤上手くくっつくんですかぁ」
葵「練習の差だろうね」
琴美「なんで負けるんですかぁ。ヒントはなんですかぁ」
紅葉「ヒントは呼吸法」
琴美「呼吸法?そんなのどこがスゴいんですかぁ」
葵「呼吸をこうしていれば、吸盤は外れない神話ね」
紅葉「葵先輩、よくご存じで」 葵「吸盤が外れないようにする業、というのよね」
琴美「そういうことですか、是非知りたいです!」
紅葉「せっかくだから教えてあげる」紅葉はほほえむ。
紅葉「空気を吸ったままなら吸盤が外れない、と信じるの」
琴美は言われた通りに実践した。
琴美「やってみました」
紅葉「もうひとつ。吸盤が外れない、外れない、と信じるの」
琴美「やってみますです!」
葵「外れないと知っている者もいるわ、強敵よ」 琴美は言われるまま二つ目の作業に取り掛かる。
琴美「吸盤が絶対に外れない?それはやられたらまずいです」
葵「知ってるって知ってるの?」
琴美「知ってるって、実践用語ですかぁ」
葵「知ることも実践。だけど勝つために知るのよ」
紅葉「吸盤が絶対に外れないって信じてみました」
葵「私も信じましたが……」 二回戦のゴングが鳴る。茜が鳥取と吸盤戦をすることになった。
茜「鳥取の胸は……いいね」
鳥取「茜先輩、本気で行きますぞ」
よーいぃはじめ! 琴美が大声を出す。
茜「吸盤外れないようにしたから」
鳥取「ん?私とやりたいって顔に書いてある……」 茜は茜自身が鳥取の美ボディを見て興奮した。
そしえ鳥取がやりたいことを見抜いたことに気づいて動揺する。
茜「おっぱい…チュ」
鳥取「何胸にキスしてるんですか!」
茜「いいでしょ。遊びなんだし」
鳥取「これは真剣勝負です!怒りますよ!」
茜「私とやんない?一回やってみたい」
鳥取は茜の頬を軽くビンタした・・・こう見えて鳥取はドSなのである。 茜「い、イタイッ!」
鳥取「痛くやったんだから痛いのは当然です」
茜「ちょっとだけじゃないの」
鳥取「先輩でもダメなことはダメなんです」
そのとき葵が後ろから駆け付けた。
葵「茜、反省しな」
茜「うぅ……」茜は泣き出した。
鳥取「胸を舐めるなどという行為は部活の禁止ルールにしませんか?」
葵「私に言ってるの…?」
鳥取「ええ。葵先輩に言ってるんです」 葵「それなら部長を呼んでみたらいいかもよ」
鳥取「……部長、ですか…緑川先輩のことですね」
葵「そう。緑川部長なら大抜擢できるはずよ」
鳥取「緑川部長に行ってみます」
優香「ところで、茜のことはどうするの?」
優香は茜が反省したことを気にかけていた。
優香「もう茜のことは、許してあげて、鳥取」
鳥取「分かりました。茜先輩のことは容赦します」
茜は涙ながらにいった。「鳥取、ごめんね……」 死に勝利するには宗教という変数の導入が不可欠である 鳥取「謝ってくれて良かったです」鳥取は素直にいった。
鳥取は緑川に依頼するほど勇敢だ。
今回の依頼は大まかに言えば禁止ルールを設けることだった。
鳥取はさっそく緑川がいる部室へ向かった。
鳥取「失礼します」
緑川「何の用?」
鳥取「部活の禁止ルールを作る許可をいただきに」
鳥取は緑川と初めて関わったのだった。
鳥取は緑川がなかなかの威圧感のある女性に思えた。
緑川「へえ。その内容を聞かせて」
鳥取「胸の辺りに口付けする行為を禁止にして欲しいんです」
緑川はあっさり受け入れた。もちろん禁止事項にするとのことだった。
鳥取「それから唇に口付けする行為も……」
緑川「それも禁止事項にするわ」 鳥取「あと、ほかは……」
緑川は判断が早い。すぐにテキパキ行動に移す。緑川に対する女子生徒の信頼は厚かった。
緑川「なに、二つだけしか禁止事項にする案を考えていなかったの」
鳥取「え……まあ、二つはとにかくあったんですが」
緑川「ここで三つ目を言ったっていいのよ」
鳥取「いいんですか、……では吸盤戦をしているときに性的な誘惑を……」
緑川「分かったわ。性的誘惑は禁止にする。以上でいい?」
鳥取「ありがとうございます。満足です。では帰ってもいいでしょうか」
緑川「ちょっと待って。誰があなたにキスしたの」
鳥取「茜先輩です。胸ですけども」
緑川「そう。茜にはマイナスワンポイントしておくわ」 鳥取「マイナスワンポイントとは…?」
緑川「公平な減点ね。試合で勝てば勝つほど上位にいくものだけど」
鳥取「才能アリ、とかですか。私は平民から才能アリに昇格したいです」
緑川「試合で勝つしかないわ」
鳥取「優勝したらはるか上に行けるのですか」
緑川「そうよ。優勝したら特級生になれるチャンスはある」
鳥取「どうも。それでは失礼します」
緑川「じゃあ……さようなら」
鳥取は部室をあとにした。ポイント制について気にかかったが、もう手遅れのような気がした。
茜が勝ってもその時点で±0なのだろう。それは勉強になるはずだ、と思った。 優香は鳥取を尾行していた。やはり部長である緑川に自己主張できるだけのことはある、そう思った。
鳥取「優香さん、禁止事項が増えましたよ」
優香「ごめんね鳥取。実は緑川とあなたの会話はすでに聞いたの」
鳥取「会話を?どうやって聞いたんですか」
優香「尾行してたから」
鳥取「別にいいですよ」鳥取は怖い、そういうイメージもあるが、大らかな時もある。
優香「ありがとう。でも鳥取が茜に胸にキスされたのが憎くて」
鳥取「もう過ぎたことですし。反省もしてるみたいですし」
優香「大らかね」優香は鳥取をやはり大らかなのだと確信した。
鳥取「吸盤戦といえば、信じ合い、ですよね」
優香「そうね。取れる取れるって信じればいいものね」 琴美「せんぱーい!取れる取れるもやってみますです!」
優香「よく聴いていたわね」
鳥取「やはり知識も大事なんですよね、胸もそうですけど」
琴美「知識いっぱい覚えたいです!」
優香「じゃあ負けないって信じればいいのよ」
琴美「負けないっていいですね、でも勝つはどうするんですか」
鳥取「勝つだって信じればプラスになるわ」
茜が反省して帰ってきた。茜は真面目に目覚めたらしい」
茜「もう変態行為はしないから」
鳥取「わかりました。ところで私の胸、どうでしたか」
茜「美乳だった気がする」
鳥取「まあいいでしょう。皆さん頑張りましょう」 鳥取がビンタした痕は少なからず残っていた。
茜はもう胸を舐めるなどしないと決めていた。
琴美「葵先輩!次は緑川先輩との試合です!」
葵は意外とも思えるほど動揺していた。あの最強の緑川と闘うのだからだろう。
葵「もうやんなっちゃうね。相手が相手だし」
琴美「やっぱ最強の壁はデカいですかぁ」
葵「でも全力で行きたい。それだけ」
そのとき緑川が葵を見つけた。ほら試合始めるぞ、という雰囲気だった。
葵は空気を読んで緑川の前で服を脱いだのだった。
「『今から試合を始めます』第一回戦 その壱 始め!」
緑川「私のそこには吸盤が強力に張り付いているわ」
葵「……強い……強すぎる……」 葵は胸の吸盤を取れないと信じていた。
そして葵は緑川の吸盤を取れる取れると信じようとしていた。
しかしながら葵は絶対といえるほど圧倒されていた。
さすがの葵でも緑川には敵わなかった。
葵「今回は負けたわ……。でも次はもっと『粘って』みせる」
緑川「上等よ」
優香「葵、試合は負けたけど頑張ったよね」
琴美「葵先輩が眼鏡を取ったら何なんですかぁ」
葵「眼鏡は正真正銘ガチンコのときにかな。
優香に頑張ったと言われて嬉しかった」
優香「緑川の吸盤はおっぱいと相性がいいから強いのよ」
琴美「お…おっぱい?禁止ですよ、き・ん・し」
緑川「別にいいじゃない。しかもルールを決めるのは部長のわたし」
琴美「緑川先輩、それは失礼しました……!」 葵「緑川って豊満?」
緑川「それは愚問よ」
優香「最強っぱい、とでもいうのかしら」
琴美「最高っぱいなんですかぁ」
葵「評価高いのよ、うちの部長」
緑川「部長たるものですから」
緑川は豊満で美しかった。誰も寄せ付けない内に秘めたロデスを持ち合わせていた。
優香も豊満だと認めていたが、葵も黙ってはいれど豊満だと認めていた。
琴美は最高のバストだと考えていた。緑川も、そう、自身も最高だと考えていた。 緑川はある男性を想っていた。櫻田厳のことだった。
緑川は櫻田厳と学校帰りを共にしたかった。
緑川「琴美、助けになってくれないか」
琴美「緑川さんからの頼みですかぁ、なんでしょう」
緑川「この高校に櫻田厳くんがいるのは知ってる?」
琴美「え、バスケ部のあの背が高い人……」
緑川「厳はね、私のこと見てくれないの」
紅葉「何それ、恋でもしてると?」
茜「厳ってかっこいいよね」
緑川「まあ、ぶっちゃけ好きだから」
琴美「恋愛関係にしたいんですね」
緑川「どうやったら上手くいくか、考えてほしかった」 葵「厳のこと、好きなんだ……」葵はショックを隠し切れなかった。
琴美「恋愛成就ですかぁ、でも私も恋愛したことないです」
緑川「そう、少しでも援助してくれないかしら」
葵「緑川、実は私も厳が好きなんだ」
緑川「そうなの?半信半疑だったんだけど」
葵「どうすればいいのよ」
緑川「それは私も聞きたいくらい」
茜「三角関係ってやつね」
紅葉「三角。か」
琴美「厳さんってそんなにいいんですか、きっと他の女子も好きですよ」
葵「厳って真剣に部活に励んでいて……」
緑川「私もそう思う」
緑川は、厳をあきらめる気ではなかった。葵もそうだった。
この三角は、上手くいくはずだったと思いたかったのは、二人ともそうだった。 葵「どこが好きって言われると……」
琴美「どこが好きだったんですか」
葵「真剣に取り組んでいるところとか」
琴美「真剣な一面があるんですか」
緑川「厳は髪型かっこいいし」
茜「厳じゃなくて沼はどうなの」
紅葉「私は沼が好きだけど」
鳥取「大告白タイムでもしていたんですか」
琴美「私はあすなろさんが好きです」
優香「あすなろさんっておっぱい戦争を描いてる人だと思った」
琴美「おっぱい戦争はこれを書き込む方の作品です」
茜「文字たちが生きている、いや生かされている」
紅葉「沼くんなら呼んでくるね」 優香は足早に沼のところへ向かった。
沼は恥ずかしい話だ、行きたくない、と返事した、が、茜のことは好きだっと補足した。
沼には弟が三名いた。中一、中二、中三、の兄弟である。
沼は厳と友達だった。バスケ部に所属したという共通点もあった。
あるとき厳は一緒にいる秘密基地で緑川が好きだと告白していた。 沼は、俺じゃなくて厳が行けばいいだろ、と茜に言った。
茜は紅葉と沼を会わせたかったが、しぶしぶ厳が来る話を受け入れた。
紅葉は沼に逢えた喜びを噛み締めた。 沼は紅葉のことが好きだった。ということは両想いだった。
そして――緑川も厳も両想いだった――何という展開なのだろう。
沼「紅葉、俺と付き合ってくれ」
紅葉「え、本気で言ってるの?」
沼「愛してる、紅葉、愛してる」
紅葉「はい」
沼と紅葉は付き合うことになった。その一方、厳は緑川を一度しか見たことが無かった。
紅葉「部長、私、沼くんに告白された、いいでしょう」
緑川「沼から?良かったわね。何て言ったの」
紅葉「はい、と言った後、ご飯食べに行ったよ」 緑川「いいね、私もデートしたいな」
紅葉「デートって厳と?」
緑川「そうね、厳がいいな」
茜「あの沼の告白の前、私は紅葉に告白しな、って言ったの」
優香「私も二回も沼に告白するよう、もちろん紅葉に告白するように言った」
葵「沼は好きな女性多いもんね、流されやすい」
沼が壁に隠れて話を聴いていた。沼がやってきた。
沼「茜のことを好きだと補足したのは、嘘偽りじゃない」
茜「私に告白しようと思ってたの?」
沼「告白なんて後押しされたからだよ、イラつく」
鳥取「イラつくって『鳥取いい』って意味だよね」 鳥取「ファイアの意味の中に『鳥取いい』という意味があるんですよねぇ」
沼「ま、気にしないよ、俺には女子語なんて向いてないし」
琴美「はーい!私、女子語学びたいです!」
茜「意味を考える、そして意味を覚える」
そのときだった。琴美の母である琴理が存在感こそ立派ではなかったが、おしとやかに部室に入ってきた。
琴美「お母さん!どうしてここに!」
琴理「女子語なんて勉強するより学業に励みなさい」
茜「一理ありますね」
鳥取「学業は、『鳥取いい』という意味がありそうですね」
琴理「もう女子語はお辞めください」
緑川「ですが、女子語も文化ですよ。お母さん」
琴美「ちょっと待った待った待ったーケンカしないでくださいよぉー」
琴理「女子語は慎むものですよ、緑川さん」 緑川「別に何を言っても、女子語を使う者と使わない者に分けるだけなんだけど」
琴理「では娘には使わないように言っておきます」
琴美「お母さん、私、学びたかったんだけど」
琴理「今は学業に専念しなさい」
優香「私は女子語、使わない。茜もそうだよね」
茜「私も同意」
鳥取「私は意味気になるから」
葵「学業って『鳥取いい』という意味あったよ」
鳥取「本当ですか。助かりました」
琴理「それぐらいなら許しますよ」
琴美「お母さん。淫らなこと、しないよね?」
琴理は、しないよ、と返事をした後、帰っていった。 緑川「私は、今日、女子語に関する部案をまとめたいと思う」
そこで落ち着いた。「高校三年生と四年生は女子語を許可するが、一年生と二年生は禁止とする」
そして言った。「髪は長すぎてはいけない。長すぎるくらいなら散髪しなければならない」
そして言った。「部員の両親や家族を部活動と同じ行為をすることを禁ずる」
緑川「つまりは、家族の巻沿いを防ぐことを目的としている」
緑川「アダルトな一面を家族に見せてはいけない、と禁ずる」
そして言った。「家族にアダルトの巻沿いが起きてはならない」
茜「全部分かったわ」
優香「わかりました」
葵「琴理さん来たから思い切ったのかな」
鳥取「私は女子語使っていいんですか」
琴美「女子語禁止されちゃった……」 緑川「そしてもうひとつ。アダルト用語を濫りに使用してはならない」
緑川「両親や家族がアダルト用語を聞いて感化されることを防止する」
緑川「アダルト用語は部室でしか使えないようにするかは、検討中」
鳥取「アダルト用語の判断基準が気になるね」
緑川「性的嗜好は基本は自由だが、一線を越える行為は禁ずる」
琴美「基本は自由ってなんですかねぇ」
葵「性的嗜好とはどういう意味なんだろね」
優香はWIKIを引用した。
性的嗜好(せいてきしこう、英語: sexual preference)は、人間の性的行動において、対象や目的について、その人固有の特徴のある方向性や様式を意味する。すなわち、対象や行動目標において特定の好みやこだわりが存在する場合、何らかの性的嗜好を持つと表現できる。
茜「長くてねぇ」
鳥取「こだわり、が性的嗜好だ、と覚えるのはどう」 緑川「禁止項目が増えた半面、新たなビジョンも計画中です」
緑川「部室は200個もあるけど、その1/10である20カ所にテレビを設備します」
緑川「映画も数限りはありますが、自由に見れるようにしたいと思います」
琴美「映画、見たいですけど、部室では無料なんですか」
緑川「もちろん。映画は部内では無料で借りれます。そしてテレビで無料で視聴できます」
緑川「心配しないでください。映画のCDはたくさん集められます」
鳥取「ハリーポッターシリーズが見たいのですが」
緑川「大丈夫。賢者の石から何作品もありますよ」
鳥取「それは良かったです」 琴美「ハリーポッターって有名なんですかぁ」
鳥取「けっこう有名だと思う」
紅葉「杖を使って奇跡を起こす物語……」
茜「奇跡は起こるわね」
緑川「信じているから、だよ」ハスキーボイスが響く。
葵「そう、奇跡を起こすのは自分次第」
琴美「信ずる者は奇跡を起こせる、というんですか」
優香「おっぱい戦争、始まるよー」
琴美「奇跡の胸になりたいです」
緑川「琴美、おっぱいを大きくしたいなら食事から気を付けるんだな」
琴美「私、メロンパンが好きなんですがぁ」 緑川「納豆なんてどうかしら」
琴美はコンビニに向かった。
納豆がないと気付いたときには夜は暗く、辺りはじめじめしていた。
琴美はスーパーへ向かった。そこには納豆が何種類かあった。
琴美は納豆を買い集め自宅でネギを混ぜて食べることにした。 緑川は納豆にネギだけで和えるのではなく、醤油もしっかり入れなさいと言っていたのを琴美は思い出した。
緑川「とろろだって成分がいいからちゃんと食べな......
琴美「はい、分かりました!
緑川「あとはお粥ね
琴美「お粥!? 緑川「そうよ。お粥に梅干しも
琴美「梅干しなんて苦手ですぅ
緑川「それならなおさら梅酒を飲んだらいい
琴美「梅酒ですかぁ。ヤクルトはどうなんですかぁ
緑川「ヤクルトか。まあヨーグルトと相性がいいわ
琴美は梅酒を貰った。うれしそうだけれど梅干しを食べるのが恐かった 琴美は梅酒を慎重にコップで飲んだ。
美味しい。実に美味しいと味覚にきた。
お粥なんてお米を火にかければできる。
しかし、琴美はお米を炊く炊飯器を持ち合わせていない。
琴美はレトルト食品を買うことにした。
レトルト食品は温めるといいのは一理ある。
琴美は梅干しを探しにグルグル店内を回った。 琴美が数種類の梅干しを見渡していると、羽鳥という生徒に見つかった。
羽鳥「梅干しだな。迷っているのは。
琴美「羽鳥先輩!!
羽鳥「胸、大きくしたいのか
琴美「そうなんです。食べ物が大事なんでしょうか
羽鳥「栄養がいい食事がな 琴美「安い梅干しほど美味いですか
羽鳥「よく気に掛けたな
琴美「私の母は梅干し好きなのですが
羽鳥「私は納豆派だけど
琴美「納豆も買います。どうも。
羽鳥「炊飯器プレゼントしてあげようか 琴美は感動した。炊飯器を貰える……ありがたいことだとしみじみ思った。
琴美「ありがとうございます」
羽鳥「炊飯器取ってくるぞ」
琴美「私の家わかるんですか?」
羽鳥「解るゾ」
琴美「梅干しはどれにすればいいと思いますか?」
羽鳥「『新・梅干し特観』がいいな」
琴美「じゃあそれふたつ買います」
羽鳥「納豆は高いのがいい」
琴美「ではこれ朝にひとつだから三日分買います」 琴美はレジで会計を済ませていた。
羽鳥は炊飯器を取って、琴美の自宅の玄関に置いた。
琴美はプレゼントされて嬉しかった。感動した。
感謝の念を抱いた。羽鳥さん、ありがとう。
琴美「羽鳥さん、ありがとうございます」
羽鳥「よく感謝できるな」
琴美「私の母から教育されて」
羽鳥「琴理さんか。いい人だ」
琴美「それは嬉しい」 羽鳥は、自転車で来ていたらしく、「自転車で帰るんだ」と言って帰っていった。
琴美は、羽鳥が自転車で自宅から来たのを、感慨深いものと視た。
わざわざ炊飯器を寄越すなんて、お金持ちなのだろうか。
琴美はテレパシーで会話をしたくなった。
琴美【羽鳥先輩の自宅はどの辺にあるんですか】
羽鳥はテレパシ―で【十五分ぐらい離れた青山町だな】と答えた。
琴美【青山城で有名なあの辺なんですね】
二人ともテレパシーを経験できて為になったらしい。 羽鳥【青山城、行ったことあるか】
琴美【ありますよー】
羽鳥【上美餅、という言葉、は知ってるか】
琴美【初めて聞きました】
羽鳥は上美餅という御餅が好きだった。
琴美【羽鳥という言葉は餅が好きっていう意味ですね】
羽鳥【今度上美餅をプレゼントしよう、どうだい】
琴美【す、すいません。ありがとうございます】
羽鳥【わらび餅は知ってるよな】
琴美【ええ、わらび餅は知っています】
羽鳥【チーズケーキは好きかい】
琴美【チーズケーキ好きです!】 ねえ、神様っていると思う?
葵が琴美に聞いた。
琴美「う~ん、そういう上の存在っていると思うんですよね。仏もですが。
葵「神様がいると思う理由に,パスカルの賭けが挙げられる。
琴美「どういう賭けなのでしょう。
葵「神様がいるかいないかどちらかに賭けます。神様が実際にいるのなら、永久の幸福。実際にいないのなら、何も失わない。 琴美「神様かいるに賭けた方が良さそうということですね
葵「そういうこと。 神様がいるに賭けた場合、神様がいるなら永遠の幸福が手に入る。
神様がいないに賭けた場合、神様がいても得がない。神様がいないに賭けた場合、神様がいるなら地獄に遭う。
神様がいるに賭けた場合、神様がいないなら何も失わない。 残念ながら、賭け事は「期待」であって「信念」ではない。
ましてや「事実」を示すものでもない。
「死」は「期待」の果てにはない。
「死」は「事実」であり、高々「信念」である。 「死を乗り越える」ために、死の実態を知る必要ない。
人は未知のものへの対応方法を知っている。「無視する」だ。
そして人は、幸運なことに、「知るべきことは知り得る」。 「死を乗りこえる」努力は無駄なばかりではない、
知るべきことを知るための障害だ。
ただし、「知るべきことを知る」努力は、
幸運でなければ、一生を費やしても報われない。 琴美「神様っていると思うんです。目に見えなくても。
葵「紳士だね
琴美「紳士に映るんですね。ひとつ為になりました。 葵「『神様っていると思うんです。目に見えなくても。』って誰かに言って欲しいね」
琴美「あはは。じゃあ茜先輩に同じこと言ってもらいますか」琴美はニコニコしていて微笑んだ。
葵「茜はそんなこと言うかな?『神様はいたずら好き』って言ってたけど」
琴美「あはは。神様はいたずら好き?案外そうかもしれないですね」
茜「そうだよほんとに。悪があるのも神様のせいだよ。だからいたずら好き」
葵「悪があるのは神様のせいなのかな。どうして」
琴美「別に我々だって悪を作るさ」
茜「そうか。我々も、か」 羽鳥【いちごケーキは】
琴美【いちごケーキも好きです】
羽鳥【どちらのケーキがもっと好きなんだい】
琴美【いちごケーキに決まってます!】
羽鳥【ではいちごケーキを来週買ってあげよう】
琴美「え……、もういいです!」琴美は泣き崩れた。
琴美は、なんでも奢ってくれそうな羽鳥が嫌になっていた。
羽鳥の金銭の余裕こそあれど、お金があればいいというわけではなかった。
小さな優しさが、琴美の心を傷つけていた。
羽鳥「ごめんごめん、何で泣くの」羽鳥は悲しかったが琴美も悲愴の想いだった。
琴美「羽鳥先輩、もういいです!プレゼントしないでください!」また琴美が号泣した。
羽鳥は当惑した。優しくしただけなのに、何故嫌われるのか。 羽鳥は琴美が泣いてるのが辛かった。悲しかった。
羽鳥はどうしたら琴美が泣き止むか悩んでいた。
そして羽鳥は琴美の機嫌を取り戻そうと思っていた。
羽鳥「もう泣くのはええやろ?」羽鳥は真剣な表情だった。
琴美はゆっくり起き上がると、「すみません……」と小さく呟いた。
羽鳥は琴美が泣き止んだのを見て助かる思いをした。
羽鳥「もう、スッキリしたか?」
琴美「うぅ……」
羽鳥「もう泣くな、な」
琴美「もう大丈夫です」琴美は泣くのをやめた。
羽鳥「それは良かった。安心したよ」
琴美「もうプレゼントなんて考えないでください」
羽鳥「ああ、それは約束する。もうプレゼントをあげようとは思わない」
琴美「はい。では帰ります」
羽鳥「ちなみに私のこと、嫌い?」
琴美「嫌いじゃないですよ。では」
羽鳥は琴美がスタスタと帰って行った後、泣きそうになった。
ただ、琴美を飽きさせてしまったのではないか、後悔の念が残った。 琴美は家に帰ると、さっそく緑川に電話をかけた。
琴美『もしもし?』
緑川『何、何の用?』
琴美『羽鳥先輩のことなんですが……』
緑川『へえ。意外ね』
琴美『何でもプレゼントする癖があるんです』
緑川『その癖をどうしろと?』
琴美『優しさがあっても、私はつらくなったんです』
緑川『もらってばかりで申し訳ない、という気持ち、でしょう』
琴美『それもあるにはあるんですが、なんかつらいんですよね』
緑川は羽鳥を注意することを決意した。お金の余裕があだに、が面白いところだと思った。
プルプルプル プルプルプル 携帯に電話をかけた。
緑川『羽鳥?もうプレゼントしないと聞いたけど、気をつけな』
羽鳥『分かりました。もうバレンタインのチョコもあげません』
緑川『自重したのね。以上』 緑川は電話を切った。 羽鳥は、電話を切られた後、プー、プー、という音を聴いていた。
緑川は勘に触った。プー、プーを聴いているのは何もないからだと思った。
羽鳥は、電話を切った。友達がいない、ふと思った。友達は琴美……いや……。
緑川はもう一度電話をかけた。……『羽鳥だよ』
緑川『友達、いないの?』
羽鳥『いないかも』
緑川『友達が欲しかった?』
羽鳥『そう。だから奢ろうとしてさ』
緑川『でも琴美は友達になれなかった』
羽鳥『なんでだろ』
緑川『何もないのよね、あなたには』
羽鳥『電話切るね。もう寝る』
羽鳥は切った。緑川もプーを聴く前に切った。 羽鳥は琴美の話さなくなった。
緑川は羽鳥に減点を課した。羽鳥は自己中心的な存在に思えた。
琴美は威勢がよかった。バスケ部の厳にテレパシーで話しかけて、緑川と関わるように、考えていた。
琴美【厳さん、私です、こ・と・み、です】
厳【ああ。おっぱい部の琴美か】
琴美【厳さん、緑川さんって知ってますよね?】
厳【知ってるよ。最強と謳われた】
琴美【知ってるんですね。どういう人だと思います?】
厳【はっきり言うと、好きだよ】
琴美【キャーーじゃあ今度恋愛したらどうです?】
厳【今、部活で忙しくてね。特訓合宿があるんだ】
緑川【厳、いきなりだけど、付き合ってくれ】
緑川【合宿明けにはいいだろうけども。嬉しいよ、緑川】 緑川【じゃあ、約束してくれ、いつか付き合うと】
厳【わかった。それでいい。いつか付き合おう】
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** 緑川は喜んだ。琴美のおかげで付き合えた。琴美に感謝する想いが宿った。
緑川「琴美、今回の件は、ありがとう」
琴美「ど、どういたしまして」
緑川「厳と付き合うとなると、葵が心配だな」
琴美「葵先輩は、諦めがいいでしょうか」
緑川「どうかな。羨ましくなってほしくない」 すると葵が現れた。
葵「緑川。良かったね、私は引き下がるわ」
琴美「葵先輩!?本当に引き下がるんだったらいいんですが」
緑川「すまない葵。恋愛事になるとトラブルが付き物だ。
でも私はこれで済んだ。ありがとう、葵。」
葵は、私は厳をあきらめた、と言って帰って行った。
琴美「緑川先輩、葵さんの件、良かったですね」
緑川「諦めがいいでしょうかと言っていたが、そうかもしれないな」 琴美「ところで緑川先輩、私と試合しませんか?」
緑川「それは、私が勝つ」
琴美【準備してくださいね】
緑川は挑戦に応じることにした。
琴美は服を脱いだ。緑川もそうだった。
琴美「キャアー緑川先輩、巨乳だー」
緑川「貧乳だけど、吸盤が取れないなら、話は別」
紅葉が現れた。紅葉「試合、スタート!」
琴美「吸盤にくっついた乳首、取れないなら勝てるかもしれないんです」
緑川「強くなったなあ、琴美。私も吸盤にくっついているぞ」
琴美は取れる取れると、緑川の乳首を見て思った。
琴美「取れるのは緑川さんの乳首です!」
緑川「奇跡発動!琴美の吸盤が取れてしまう!」
琴美「何!?あれ、取れた?……」
琴美は負けた。奇跡は勉強していなかったらしい。 緑川「残念だけど、この勝負はもらった」緑川は冷静だった。
琴美「何で負けたんでしょうか。原因が大事です」
紅葉「同じ作戦の上、より実力を発揮したこと」
緑川「奇跡、起こしたから」
琴美「奇跡を出せるから強いんですよ!もう!」
紅葉「まあそうかっかすんな」
緑川「奇跡なんて、私くらいよ」
琴美「奇跡なんてもう嫌だ!」
紅葉「それじゃ毎回敗けるわ」
緑川「≪奇跡≫は琴美よくない、という意味」
琴美は奇跡の意味を懸念すると、意味が私がよくないというからではなく、
奇跡なんて嫌なんだもんと思っていた。 琴美は緑川との試合に負けて、大層悔しかった。どうすればよかったのか、思慮に耽った。
琴美は河川敷に向かった。自殺して終わる、そう誰かに嘯かれたかのように、水死しようと考えていた。
そこで葵が勘に触って、琴美の後ろを追いかけるように走っていた。
葵は琴美を遂に見つけた。「待て、まだ死んだらあかん!」葵は大声を出した。
琴美「もうゲーム終了ですう」
葵「試合で負けたからといって自殺していいわけじゃないだろ!」
琴美はどんどん河川敷の奥を進んでいく。そして川の中に入ってしまった。
葵は奇跡を起こそうと思った。瞬間移動だ。琴美を頭の中に侵入させればよい、そう思った。
葵は「マジック!琴美が私の頭の中に入る!」そう大きく言った。
琴美はその瞬間、空間から消え、葵の頭の中に入った。
葵「琴美。命、助かって良かった。すまないが私と共にいてくれ」
琴美「何でこんなところに。ここで自殺はできるんですが……」
葵「琴美、一緒にいよう」
琴美は冷静に考えた。葵の頭の中が、悪いわけではない、と。